更新日:2024年01月25日 13:49
エンタメ

“複雑な家庭”が気になる10歳息子に、不倫や浮気をどう説明する?多様な“家族のかたち”の教育を人気芸人が伝授

「聞かんでええ」話を教えるべき時かも

 10歳の息子さんにとって、この類いの複雑な話はまだ聞かんでええ話なのかもしれません。ところが、息子さんは「子どもをつくらなかったの」と発言していらっしゃいますから、既にいわゆるセックスの理屈を知っていると窺えます。  10歳のころなんか、子どもは「できる」と思っていましたからね。また、「離婚して相手の男の人と結婚してから」との発言がありますので、一夫一妻制についても理解をしていらっしゃることが窺えます。  一夫一妻制を知っていて、さらに子づくりを知っているくらい成長されているのであれば、聞かんでええ話を早いうちに教えるべきなのかもしれません。なぜなら、正しく理解させる必要があるからです。  安直にテレビなどのスキャンダルによってこういう情報を植えつけてしまうと、敵と味方のような一面的な感覚に陥る恐れがあります。それらを正しく理解させる行程を説明するため、少し11歳のころを振り返らせていただきます。

一面的価値観に陥らないように「学び」の機会を

笑い飯哲夫

※写真はイメージです

 小学5年の時、クラスに転校してきた女の子がいました。食欲旺盛で、活発で、おばはんくさい喋り方と立ち振る舞いで、すぐに好意を抱きました。ある日の放課後、男子3人で好きな女の子を言い合うことになりました。恥ずかしいながらもその子の名を告げると、男子2人は意外な顔をしました。  一気に赤面すると同時に、あともう1人、先ほどとは別の女の子の名前も挙げて、咄嗟にどちらも好きだと言い逃れたのでした。今から思えば情けないことです。理想のタイプがマニアックだと思われるのが怖くて、複数人を挙げてマニアック感を薄めたのです。  あの情けない思い出にはピンク色のアンダーラインが引かれていて、それがずっと、同時に2人くらい好きな人はいるものだと甘やかしてくれました。しかし、日本古来の神々や、命を繋いでくださった先祖代々に誓って、1人を選ばなければならないときは来ました。  今、妻と子に恵まれていますが、その妻こそ、小学校も別々の、今回このコラムに全く出てこない人です。そんなドラマや小説みたいなことはめったにありません。それでいて、事実は小説より奇なりです。ぜひ息子さんに、事実は小説より奇なりと教えていただき、あとは自力で学ばせてあげてください。 ★一面的価値観に陥らないように現実の「奇」を学ばせよう イラスト/とあるアラ子 図版/ミューズグラフィック
’74年、奈良県生まれ。県下随一の進学校・県立奈良高校から関西学院大学文学部哲学科に進学。卒業後の’00年に西田幸治と笑い飯を結成し、’10年、M-1グランプリ優勝を果たす。『がんばらない教育』『えてこでも分かる笑い飯・哲夫訳 般若心経』ほか著書多数

がんばらない教育

格安補習塾を経営する哲夫による画期的な子育て論

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