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植田日銀、初の記者会見では「模範解答」も、本当に景気を回復させるまで監視が必要だ/倉山満

三人の正副総裁も金融緩和について足並みを揃えた

 日銀出身の内田眞一副総裁は「総裁からも申し上げた通り、現状においてはこの枠組みの中で緩和を続けていくということが適切なのではないかというふうに思っています」と、付け加えた。内田副総裁は、理事としてYCCを導入した張本人だ。  新執行部での政策決定会合は、4月27、28日に行われる。就任最初の政策決定会合でYCCを解除するのではないかとの観測も流れていたが、三人の正副総裁が足並みを揃えた。  経済見通しは、米欧の金融危機は、落ち着きを取り戻しているが、注意する。世界経済はスローダウンする。よって、金利を上げる状況ではない。とのことだ。  模範解答と言うしかない。

本当に景気を回復させるまで監視が必要だ

 本欄でも警告し続けてきたが、過去の植田氏は正解を知っていながら、意図的に外したことが多い。別名「カメレオン」で、状況に合わせるとの評だ。  ということは、現在は「景気回復策をやめるな」という圧力が強いのを読み取ったのだろう。  ここで、「植田さん、ここまで言ったし、さすがに裏切らないだろう」などと他人事だと裏切られる。  裏切らせないように、監視するしかない。  景気回復策を続けさせている内に本当に景気を回復させたら問題ない。  どうなるかよりも、どうするかだ。
1973年、香川県生まれ。救国シンクタンク理事長兼所長。中央大学文学部史学科を卒業後、同大学院博士前期課程修了。在学中から’15年まで、国士舘大学日本政教研究所非常勤職員を務める。現在は、「倉山塾」塾長、ネット放送局「チャンネルくらら」などを主宰。著書に『13歳からの「くにまもり」』など多数。ベストセラー「嘘だらけシリーズ」の最新作『嘘だらけの日本古代史』(扶桑社新書)が発売中

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