お金

パチンコ業界が「金価格上昇」で頭を悩ます裏事情

特殊景品の地金も市場価格と連動

景品

こちらが0.3gの金景品。今後はこれが主流になる可能性が高い

 金商品導入当初は1グラムの金を用いた大商品は2500円、0.3グラムの金を用いた小商品は1000円で運用されていた都内の特殊景品システムですが、これは概ね市場で取引される価格と同等。実際の買い取り価格より高く設定してホール、景品交換所、卸売業者の3者の間をグルグル回る流れから逸脱しないようにしていますが、細工した金製品が金の地金より高い値段が付けられるのと同じ理屈なので、そこは突っ込むべきではないでしょう。  でも金価格が上昇を続ける状況が続き、景品交換所での買い取り価格よりも高くなるという現象が起きると、景品交換所よりも貴金属店などに持ち込む方が得になってしまいます。そこで特殊景品の元締めである組織は市場価格を考慮しながら、金商品の値上げを繰り返すことになります。

昨日まで2500円だった特殊景品が3500円に!?

 前日までは2500円だったのに、翌日からは3500円になったりしたら、たまたま特殊景品を交換せずに持ち帰った人は超ラッキー。でも筆者もそうですが、受け取った特殊景品は当日に換金してしまう自転車操業的な行動をしてしまうユーザーがほとんど。それでも目ざとい人間はこの先も金価格は上がるからと金商品を溜め込んだり、さらには友人から買い取ったり……。  もちろん元締めも黙っているわけではなく、金商品のケースに貼り付けたシールによって提供された日付を特定したり、0.1グラムの新たな商品を導入したりと、金価格の上昇にさまざまな対策をしていました。しかし昨今の金価格上昇によって、これまで提供していた1グラム商品を休止せざるを得なくなるまで追い込まれてしまったのです。
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1グラム景品は近いうちになくなる?
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ライターとして25年のキャリアを持つパチンコ大好きライター。攻略誌だけでなく、業界紙や新聞、一般誌など幅広い分野で活躍する。

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