更新日:2023年05月22日 16:21
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“中核派女子大生”が「広島サミット粉砕」を掲げる理由

 5月19日、平和記念公園周辺を完全封鎖する前代未聞の警戒態勢の中で、G7広島サミット(先進7カ国首脳会議。以下、広島サミット)が始まった。  各国の首脳が次々と広島市に来訪する一方で、市内ではサミット反対を主張する陣営のデモや集会も多数繰り広げられている。  このサミット開催を前に、メンバーが次々と逮捕されSNSでもトレンド入りしたのが、世間では「暴力革命を主張する過激派」とされている中核派だ。同派は「核戦争のための帝国主義会議=G7サミット粉砕!広島行動」として、開催前の17日から21日まで市内各地で集会やデモをSNSや街頭でのビラ配布を通じて呼びかけている(この原稿を書いていたら、さらに現地のデモで逮捕者が出ていた)。  いま、彼らはなにを目的に「広島サミット粉砕」を主張しているのか。現地で活動中の、中核派全学連副委員長の矢嶋尋さんが取材に応じてくれた。
矢嶋尋

矢嶋尋さん

合計8人のメンバーが逮捕

 既に多くのメディアで報じられているが、広島サミットを前に報道された中核派メンバーの逮捕は次のようなものだ。ひとつは4月27日、2018年に友人のクレジットカードで高速バスのチケットをまとめて購入したことが「電子計算機使用詐欺」にあたるとして2人が逮捕されたもの。もうひとつは5月11日、今年2月に成田空港用地内の空港反対派やぐらの強制撤去を妨害したとして6人が逮捕されたものだ。  この合計8人ものメンバーの逮捕を、矢嶋さんは「敵の弱さの表れ」だと率直に語る。 「メディアの報道では、どこも中核派が広島サミット粉砕を主張していることが書かれていましたよね。つまり、今回の逮捕が広島サミット反対への弾圧だと、向こうのほうが認めているわけじゃないですか」

追い詰められているのは「弾圧せざるを得ない政府」のほう

 これは、政府のほうが広島サミット反対の声を押しつぶさないといけないところまで、追い込まれているために「弾圧」という手段をとらざるをえなくなっていることを示すものだ、というのが矢嶋さんの分析だ。 「もしも、政府の力が圧倒的ならば反対の声もあがらないですよね。ところが、実際には広島サミットのために2万4000人もの警察官を動員しなければならなくなっています。広島に来て実感していますけれど、政府はまったく歓迎ムードをつくることもできなかったんです。もう、反対の声を押しつぶさないと開催できないところまで追い込まれているわけです」
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ルポライター。1975年岡山県に生まれる。県立金川高等学校を卒業後、上京。立正大学文学部史学科卒業。東京大学情報学環教育部修了。ルポライターとして様々な媒体に寄稿。著書に『コミックばかり読まないで』『これでいいのか岡山』

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