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「リボ払いで93万円」の借金地獄に陥った31歳女性。“利子は必要経費”と開き直る理由

ひと目でわかりにくい借金額

 リボ払いの「支払い残高」は間違いなく「借金」である。しかしカード会社は借金とは呼ばない。利用者にリボ払いをしていることを「世間的にまずいことをしているのでは?」と思わせないようにすることも、カード会社のテクニックと言えるのではないだろうか。 「明細は年に一回見るくらいで、ほとんど見てないですね。ざっくりとどのくらいの支払い残高があるのかは把握していますが、たまに見ると『増えてはないけど、減ってもないな』と思うことが多いです。そもそも、マイページを見てもわかりにくいんですよ。残りいくら払わなくてはいけないかが書いてあれば、それが『自分の借金額』という認識をして、そのヤバさに改めて気づくと思うんですが……。残りいくら利用できるかが書いてあるので、パッと見て借金額がわからない。しかも利用できる額が100万円を越えているから、『まだこんなに使えるんだ』と安心しちゃいます」
リボ払い

こちらが実際のリボ払いのマイページ(本人提供)。他のページも見せてもらったが、具体的に今利用している額は明記されていなかった。もちろん「ご利用可能枠」から「ご利用可能額」を引けばすぐわかるのだが……

 高橋さんは続けて、「今、こうやって話してて『自分がこう思っているんだ』とわかってきました。私の考え方ってヤバいですよね……」と話した。たしかにカード会社からすると、高橋さんのような人に利用してもらうのが一番儲かるだろう。ややこしい表記にしているのも、面倒くさがって後回しにしてもらう戦略にも思えてくる。

キャッシングは限度額いっぱいまで利用中

 なお高橋さんのキャッシング利用可能額は残り2万円とのこと。
リボ払い

こちらが高橋さんのキャッシングリボのマイページ(本人提供)。家賃の支払いなどの現金が必要の場合はキャッシングを利用し続け、結果的に何年もの間、限度額ギリギリの状態を続けているようだ

 ショッピングリボとキャッシングリボの額を合わせると、借金額は928,722円。なお、高橋さんが利用しているカード会社は、ショッピングリボの年率は約15%、キャッシングリボの場合は約18%のため、キャッシング利用でさらに多くの利息を払っていることになる。 「月の支払いが3万円固定と言いましたが、キャッシングとショッピングを1万5千円ずつ返している感じですね。この額になると、もう利息がいくらとか気にしないようにしてます。なんとなく、3万円のうちの1万円くらいは利息を払ってしまっていることはわかっていますが……。でも私、リボ払いにしてからは決められた期日に支払いをしているので、いつの間にかゴールドカードになってるんですよ!」  高橋さんはこのように話したが、無事故無違反だったらゴールドに昇格する自動車の運転免許と違って、クレジットカードのゴールドカードは期日を守り続けたから昇格するものではない。確実にどこかのタイミングで自分で切り替えているのだろうが、高橋さんはそれすらも把握していないようだ。
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返済できるイメージは「まったくない」
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Web編集者兼ライター。フリーライター・動画編集者を経て、現在は日刊SPA!編集・インタビュー記事の執筆を中心に活動中。全国各地の取材に出向くフットワークの軽さがセールスポイント
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