店舗激減の「まいどおおきに食堂」。業績悪化を招いた2つの要因
化学メーカーで研究開発を行う傍ら、経済本や決算書を読み漁ることが趣味のマネーライター・山口伸です。『日刊SPA!』では「かゆい所に手が届く」ような企業分析記事を担当しています。
さて、今回紹介するのは、おかずを一品ずつ選べる定食屋の「まいどおおきに食堂」、串を選んで自分で揚げるタイプの串かつ屋「神楽食堂 串家物語」などを展開する株式会社フジオフードグループ本社です。
創業以来、様々な業態店を展開するマルチブランド戦略で規模を拡大してきましたが、コロナ禍の4年間で120店舗が閉鎖され、売上高も大幅に落ち込みました。居酒屋や定食屋、喫茶店など様々な業態店を展開するもコロナ禍でリスクは分散されなかったようです。そんな同社の沿革と業績、今後の方針について見ていきます。
牛丼、回転寿司、居酒屋など飲食業界には様々なチェーンがあり競合同士がしのぎを削っていますが、フジオフードグループ本社は他社とは異なる独特なチェーン店を展開しています。主力は店舗数の約4割を占める「まいどおおきに食堂」です。
聞いたことは無くても「○○(地名)食堂」という看板にピンとくる方も多いのではないでしょうか。地名を付けた店名が特徴で、「まいどおおきに食堂 ○○食堂」や地名のみの「○○食堂」という形で展開されています。
定食屋ですが、おかずや小鉢を一品ずつ選ぶことができ、定食を自分なりにアレンジすることができます。お盆に品物を並べてからお会計をするシステムをとっていて、“丸亀製麺の定食屋バージョン”という例えが分かりやすいでしょう。
二番目に店舗数が多いブランドが「神楽食堂 串家物語」です。串家物語は串を選び自分の席で揚げるシステムの串揚げ屋で、食べ放題形式となっています。
串揚げ屋といっても居酒屋のような店舗ではなく、ショッピングモールなどに展開されており、家族客などを対象としています。食べ放題メニューにはサラダやパスタ、スイーツも含まれています。同社はその他、カフェや居酒屋など幅広い業態のブランドを展開しています。
主力は「まいどおおきに食堂」
幅広い業態のブランドを展開
経済・テクノロジー・不動産分野のライター。企業分析や都市開発の記事を執筆する。取得した資格は簿記、ファイナンシャルプランナー。趣味は経済関係の本や決算書を読むこと。 Twitter:@shin_yamaguchi_
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