仕事

飲食店で働く高齢者がコロナを境に激増中。その裏事情とは?

 人生100年時代。「人生最後の職場を探そう」と、シニア転職に挑む50、60代が増えている。しかし、支援の現場ではシニア転職の成功事例だけでなく、失敗事例も目にする。シニア専門転職支援会社「シニアジョブ」代表の中島康恵氏が、シニア転職現場のリアルを紹介する。
シニアジョブ中島康恵

「シニアジョブ」代表の中島康恵氏

飲食業界で中高年採用が急拡大

 飲食業などで中高年を活用する動きが加速している。  これまでにも、某大手飲食チェーンが店頭クルーに70代を採用して話題になったことがあるし、個人経営の飲食店では中高年の店主やその家族、従業員の姿はごく普通で、特筆すべきことでないようにも感じるかもしれない。  しかし、コロナ禍以降、なぜか中高年を積極採用する動きが拡大しているのだ。  こうした中高年の活用の活発化は、いわゆる町のレストランや飲食店に限らず、厨房を持つホテル・旅館や、病院、介護施設など調理・配膳に関わるさまざまな現場で起きている。  体を動かす立ち仕事であることが多く、一見すると、体力に不安を抱える人も多い中高年は敬遠しそうにも思える飲食・調理の仕事だが、なぜ、中高年の活用が増えているのだろうか。今回は、飲食・調理の仕事の現状と、中高年の転職事情を紐解く。

コロナ禍で打撃を受けた飲食業のニーズとマッチ

 飲食・調理の仕事で中高年が重宝されている背景として、「若者の飲食業離れが起きているのでは?」と考えるかもしれない。これはある意味正しい。  そもそも、飲食業界はコロナ禍の影響をモロに受けた。店舗や企業の入れ替わりが激しく、主力業態やメニュー、営業時間がコロナ前とは変わった店も少なくない。スタッフが辞めてそのまま戻らないことも多いだろう。  実際に、東京オリンピックが閉会し、飲食店の営業が活発化し始めた2021年秋頃には飲食店の求人は大幅に増加。しかし、その応募は思うように増えなかった。  そこで脚光を浴びたのが中高年だ。
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中高年雇用の流動性の高さ
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