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医療機関にヤバいクチコミが多い理由と、良いクチコミを書くことで得られる効果

【別バージョン】おっさんは二度死ぬロゴ_確認用おっさんは二度死ぬ 2nd season

病院のクチコミがひどい

 患者が書き込むタイプの病院のクチコミを見ているとなかなか酷いものが多い。  あくまでも個人的感覚だけど、レストランや飲み屋などに書き込まれるクチコミと比べても低評価が多く、辛辣な書き込みが目立つ。  昨今ではなんでもかんでもクチコミに頼る傾向が強い。これは情報に関する意識の変化に拠るところが大きい。陰謀論ではないけどメディアが垂れ流す情報は基本的に資本主義の立場に立っているので全てを真に受けず、それらの息がかかっていないと思われる個人間のクチコミのほうを信頼する。その傾向がある。  何か商品を買おうと思えばネットのクチコミを調べ、旅行に行こうと思えばホテルのクチコミを調べ、食事をしようとクチコミの評価が高い店に足を運び、評価の高いメニューを注文する。そして、病院にかかるときもクチコミというところまできたのだ。 「そのうち人間もどこかでクチコミが書き込まれるようになって、それが誰でも見ることができて評価されるのかもな」  というディストピアな状況も妄想のものではなく、既にその時代はきている。

なぜ病院レビューは辛くなりがちなのか

 上記の病院のレビューは〇〇の医師が最悪、人を人とも思わない言動、みたいにほぼ名指しで書かれているし、心電図室にいた女性の看護師さんが愛想がないですと、ほぼ個人がレビューされている。ここまでいくとほぼ悪口だ。僕の知人の風俗大好き徳さんも、風俗サイトのクチコミレビューで評価の高い女の子しか指名しないそうだ。既に個人へのクチコミは始まっているのだ。  では、なぜ病院のクチコミは低評価になりがちで辛辣なものが多くなるのだろうか。思うに、これは利用する状況による部分が大きいと思う。  例えば、ネットを利用してある商品を買おうとしたとき、おニューの靴でも服でも時計でも、新しいものを買うときとは気分が高まるものだ。その状況を維持したまま、期待した通りの商品が届くとそこまで辛辣なクチコミは書かない。気分が高まっているからだ。  同じように高級レストランのクチコミにしても、そもそも高級レストランに行くこと自体が幸せなことであり、テンションも高まっている。よほど期待外れの料理が出てこない限り、その評価は辛辣なものにならない。  しかし病院の場合は違う。基本的に何らかの不調を抱えているから病院に行くわけで、苦痛であり、不幸せな状態で利用することがほとんどだ。だから、そこでの評価はかなり辛辣なものになる。
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「治してくれて当たり前」という意識の影響が大きい
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テキストサイト管理人。初代管理サイト「Numeri」で発表した悪質業者や援助交際女子高生と対峙する「対決シリーズ」が話題となり、以降さまざまな媒体に寄稿。発表する記事のほとんどで伝説的バズを生み出す。本連載と同名の処女作「おっさんは二度死ぬ」(扶桑社刊)が発売中。3月28日に、自身の文章術を綴った「文章で伝えるときにいちばん大切なものは、感情である 読みたくなる文章の書き方29の掟(アスコム)」が発売。twitter(@pato_numeri

pato「おっさんは二度死ぬ」

“全てのおっさんは、いつか二度死ぬ。それは避けようのないことだ"――


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