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元セクシー女優が「成人向けビデオが売れなくなった理由」を語る。“違法な無断転載動画”は業界最大の敵

「お金を出さなくても観られる」はセクシー業界最大の敵

たかなし亜妖さん とはいえ、無断転載による無料視聴の影響は大きい。作品をリリースすればするほどバンバン転載されるので、作品を買わなくてもネットで簡単に観られる状態が出来上がったのは本当に悩ましい。  ユーザーからするとお金を払わずに楽しめるのは非常にありがたいだろうが、業界人からすると迷惑以外の何物でもないのである。  また、海外転載の数も相当で、すべてを防ぐのは難しい。YouTubeやTwitterでの動画切り抜きなども取り締まっていたら埒が明かないので、もう何年も無法地帯状態が続いてしまっている。  今はビデオを買った経験がない20代30代が多いのも、無料視聴なんて文化が蔓延したからだ。

予想ができる展開に飽きているという厳しい声も

「もうビデオを観ても先が予想できるから、みんなつまらなく感じるんですよ」  とあるメーカーのプロデューサーはこう語った。たしかに成人向けビデオにはお決まりの設定とありがちな展開のストーリーが起用されやすいため、散々視聴したユーザーはもう飽き飽きしているとのこと。  人妻が宅配便のお兄さんと、女上司が部下と、ギャルが陰キャオタクと……、なんてのはもう飽和状態。ビデオの目的など、結局一つ先が予想できるからこそ観る気がどんどん失せるのだ。  コンテンツが増えているからこそユーザーは貪欲になっており、目が肥えている。何か新しい要素を取り入れないと彼らが面白いと思わないため、メーカーも試行錯誤を繰り返しているのが業界の現状だろう。  まぁ、だからといって内容にこだわり抜いても多くの場合は早送りで飛ばされるのだが……。「買いたくなるような斬新なネタを持ってこい!」と言うのなら、「君たちもちゃんと観てよ!?」。これが業界人としての本音。私自身、ビデオの脚本を書いているからこそ余計に思うことである。
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今後、成人向けビデオの売り上げが回復する見込みは…
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元セクシー女優のフリーライター。2016年に女優デビュー後、2018年半ばに引退。ソーシャルゲームのシナリオライターを経て、フリーランスへと独立。WEBコラムから作品レビュー、同人作品やセクシービデオの脚本などあらゆる方面で活躍中。
Twitter:@takanashiaaya

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