更新日:2023年07月23日 13:23
エンタメ

「ネタよりも俺を見てほしい」芸歴25年目マシンガンズが語る、THE SECOND準優勝からの“濃密な日々”

「滝沢くんはあまりお笑いに固執していない」

マシンガンズ──それは、昔からですか? それともごみ清掃員として働くようになってから? 滝沢:ごみ清掃員になってからかなあ。それまではやっぱり、みんなと同じように「M-1に出て」とか「THE MANZAIの決勝に行って」とかいう気持ちがありましたけども。 ──芸人らしくあることを、先ほどの言葉でいうと「諦めた」? 滝沢:だってごみ清掃員として本を出して飯を食っていると、芸人らしさも何もないなとはやっぱり思いますよ。そうやって気持ちが徐々に変わっていったのかもしれないですね。 ──西堀さんは、滝沢さんが二足のわらじで活動されていることを受け入れ、自身でも発明の活動をされていますが、滝沢さんが清掃員として仕事をすることは最初から気になりませんでしたか? 西堀:いや、もうしょうがない時期でしたよね。家族もいてお金を稼がなきゃいけないから。反対できるような状態じゃない。「いまはもうちょっと頑張ってM-1獲ろうぜ」とか、そういうものがあれば反対もできたんでしょうけど、特に何もない宙ぶらりんの状態で、滝沢の就職を止めることはできなかったですよ。

マシンガンズを「解散」しなかった理由

マシンガンズ

滝沢秀一、滝沢友紀『ゴミ清掃員の日常~ゴミ分別セレクション』(講談社)

マシンガンズ

西堀の発明品「静音 くつ丸洗い洗濯ネット」スマイルキッズ

──なるほど。 西堀:だから、なんとなく(芸人を)続けようとは思っていたけど、芸人として緩やかに終わっていくんだろうなとも思っていました。滝沢はごみ清掃員を始めてから調子良くなっていくわけですけど、そのあたりの時期はもう、口にこそ出さないけどうっすら「終わりを迎えてるな」と感じてましたね。 ──別のインタビューで「何があってもマシンガンズは続けると決めていた」と話されていましたね(「QJWeb」など)。 滝沢:ほとんど活動していなくても、マシンガンズの名前さえ残してたら、急に営業が入ってくるかもしれない。それでギャラがもらえたらラッキーじゃないですか。だから、なくすよりはあったほうがいいんじゃないかってね。 西堀:だいたい、やめる人、解散する人って、気持ちのほうが大きいんですよ。べつにコンビを残したまま、別々の活動をしたっていいわけじゃないですか。ただ、やっぱり自分のなかで一回、線を引きたいんですよね。解散って「もうお笑いはやらないぞ」と自分に言ってるだけのことで。もし仕事があるかもしれないんだったら、絶対コンビでいたほうがいい。だから、そこはお互いどんな状況でもマシンガンズは残しておこうと。 滝沢:仕事があるんだったら、極論、ウケなくてもいいんですから(笑)。 西堀:うん。でもみんなやめちゃうんだよな。
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ただ続けることにも意味はあった
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ライター。名古屋出身。演劇、お笑いなどを中心にインタビューやレビューを執筆。X(旧Twitter):@troookie

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