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メガホンやゴミがグラウンドに投げ込まれ…元ベイスターズ球団社長が語った「98年優勝当時の舞台裏」

駕籠に乗るひと担ぐひと、そのまた草鞋をつくるひと

1998年の遺伝子

※写真はイメージです

 小さな小売店までもが手書きのロゴを店内に掲出したあの秋、ベイスターズは、街を挙げて多くの人たちから心からの祝福を受けた。全てのプロチームが理想と掲げる「地域密着」であり、地域とチームが一体化した時間があった。  冒頭の大堀の手紙は、こんな一文で結ばれている。 「『駕籠に乗るひと担ぐひとそのまた草鞋をつくるひと』ということばがあります。私たちのたずさわっているエンターテイメントビジネスで駕籠に乗る人はいうまでもなくファンのみなさんです。  草鞋をつくる人は駕籠に乗る人に喜んでいただくために良い草鞋をつくることに注力しなければなりません」(原文ママ)

横浜の街が再び歓喜に包まれ、熱狂の渦と化す時間は来るのか——。

 大堀は、現在のチーム、そして親会社にエールを送る。 「地域やファンと一体となったプロスポーツの運営という理念は、チーム名に親会社の企業名は付与されてはいるものの、現在の横浜DeNAベイスターズにもさらに規模が拡大され承継されているようで喜ばしく感じています」  この秋、横浜の街が再び歓喜に包まれ、熱狂の渦と化す時間を大堀は心待ちにしている。 写真/時事通信社 産経新聞社
1973年、神奈川県生まれ。日大芸術学部卒業後の1997年、横浜ベイスターズに入社、通訳・広報を担当。'02年・新庄剛志の通訳としてMLBサンフランシスコ・ジャイアンツ、'03年ニューヨーク・メッツと契約。その後は通訳、ライター、実業家と幅広く活動。WBCは4大会連続通訳を担当。今回のWBCもメディア通訳を担当した。著書に『大谷翔平 二刀流』(扶桑社)ほか
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