更新日:2023年09月01日 14:53
スポーツ

「ベイスターズファンの心理は、常勝球団ファンとは違う」チームと苦楽をともにした男たちが語る想い

横浜の街に溶け込んだ特別ユニフォームの配布

1998年の遺伝子

’19年の「キッズ・スター・ナイト」で子供たちにユニフォームを配る山㟢康晃

 そんなファンに向けてDeNAが放った“スターナイト施策”が、控えめだったベイスターズファンに新たな行動変容を促した。 「DeNA2年目、つまり『スターナイト』2年目から来場者に特別ユニフォームを配布するようになったのですが、これが大きかった。グラウンドの選手と同じユニフォーム姿で応援してくれたファンの皆さんが、そのままユニフォーム姿で帰途につくようになった。これまではスタジアムの中でしか見られなかったベイスターズのユニフォームが、横浜の街に徐々に溶け込んでいったのです」(青木)  球団を創設したオーナー企業のマルハは、50年の長きにわたってホエールズ/ベイスターズを育んできた。マルハからバトンを託されたTBSは、10年間という短い期間ではあったが、横浜の街にベイスターズを定着させた。

選手とフロント一丸で“勝負の夏”へ挑む

 そして今、3代目のオーナー企業となったDeNAは、人口377万人の国際都市・横浜でさまざまな試みをしている。  プロスポーツである以上、そこには勝敗というドライな結果がつきまとう。しかし勝ち負けを超越した心の機微――この街にベイスターズがある喜びを選手とファンが一体となって共有したとき、横浜の街には、1998年の感動を凌駕する大きなうねりがやってくる。  記録的な猛暑が続くなか、今年のペナントは残り50試合を切った。ベイスターズ30周年の節目のシーズン。選手とフロント一丸でいよいよ“勝負の夏”に向かう。 撮影/小島克典 写真/時事通信社
1973年、神奈川県生まれ。日大芸術学部卒業後の1997年、横浜ベイスターズに入社、通訳・広報を担当。'02年・新庄剛志の通訳としてMLBサンフランシスコ・ジャイアンツ、'03年ニューヨーク・メッツと契約。その後は通訳、ライター、実業家と幅広く活動。WBCは4大会連続通訳を担当。今回のWBCもメディア通訳を担当した。著書に『大谷翔平 二刀流』(扶桑社)ほか
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