スポーツ

ベイスターズ主将・佐野恵太に出された代打…石井打撃コーチは「打順も守備も、固定できず申し訳ない」

“マシンガン打線”こそがベイスターズの真骨頂だった

1998年の遺伝子

佐々木と谷繁のバッテリー

 ベイスターズは元来、打撃力が売りのチームだった。1998年のリーグ優勝、日本一は、大魔神・佐々木を筆頭とする投手陣、盤石の守備力に、打ち出したら止まらない“マシンガン打線”こそがチームの真骨頂だった。  1番石井琢朗は最多安打に盗塁王。3番には2年連続首位打者の鈴木尚典。さらに首位打者、打点王を獲得した最強助っ人ボビー・ローズが続くラインナップは、破壊力満点だった。  交流戦で初優勝を果たした時、オールドファンの多くは今年の打線に1998年の打線を重ねた。とくに首位打者、最多安打の佐野恵太に対する期待値は、マシンガン打線の遺伝子を受け継ぐ者としてひときわ強く漂っていた。

「攻撃的な1番打者」も2番打者を固定できず

 石井琢朗チーフ打撃コーチは、現状のチーム状態がキャプテン・佐野への負担を増してしまっている点を分析した。 「佐野は、昨年の最多安打。言ってみればリーグで一番良いバッター。今季、故障者が出てメンバーを固定できなかったのは、我々首脳陣の責任。打順も守備も固定できないなかで、佐野は本当によくやってくれています」  確かにベイスターズは、開幕からメンバーの固定ができない。 「一番良い打者を1番に置くのは、ある意味で理に適っている」。(石井)  そんな理由から、今季は開幕から6月7日までの全52試合で、佐野は1番で起用され続けてきたのだ。
次のページ
「打順も守備も、固定できず申し訳ない」(石井)
1
2
3
4
5
1973年、神奈川県生まれ。日大芸術学部卒業後の1997年、横浜ベイスターズに入社、通訳・広報を担当。'02年・新庄剛志の通訳としてMLBサンフランシスコ・ジャイアンツ、'03年ニューヨーク・メッツと契約。その後は通訳、ライター、実業家と幅広く活動。WBCは4大会連続通訳を担当。今回のWBCもメディア通訳を担当した。著書に『大谷翔平 二刀流』(扶桑社)ほか

記事一覧へ
おすすめ記事
ハッシュタグ