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高級腕時計「直近1年間で値上がりした」モデル3選。アゲアゲ相場に異変アリ

直近1年で値上がりしたブランドその3「オフィチーネパネライ」

パネライ全体の傾向

 最後に紹介したいのが「パネライ」でありますが、これは、2016年頃までは「ロレックスのような値動き」となっていた傾向がありました。それはどういうことかというと、“相場全体が高いときには高く、安いときには安い”といった動き方であります。  しかし、2017年頃からはそういった動きをしなくなり、値動き自体が停滞気味となりました。2017年は、デイトナなど、ロレックスの人気モデルがそれまで以上に値上がりしたり、パテックフィリップのノーチラスが目立って上昇し始めた時期でした。その一方、当時のパネライでは「値下がり」が目立ち、また、その後は停滞気味となってしまったのです。  その結果、パネライとロレックスの中古相場は大きく離れ、かつて“同じような価格帯”だったモデルも倍近い状態となってしまったほど。 例えば、2016年8月時点では、ロレックスエクスプローラー14270の中古最安値が約37万円だったのに対し、パネライルミノールベースPAM00002は約45万円が中古最安値となっていました。それが、2021年12月時点では、14270が約73万円になっていた一方、PAM00002は約41万円となっており、両者の相場が逆転。また、大きな差をつけられたわけです。

デイトナ全体の平均値は、2022年2月3月頃が最も高かった

 そんなパネライですが、このところは「久々の上昇」というモデルが目立ってきている状態に変化。この1年でのパネライ全体の平均値を見ても約10万円のプラスとなっており、値上がり傾向となっています。  また、先程紹介したPAM00002の現在最安値は約55万円となっており、2016年水準よりも「高くなっている」様子。エクスプローラー14270水準までには達していないものの、この数年動かなかったのが、久々の上昇となっているわけです。 ⇒オフィチーネパネライ中古相場全体の前年比は+100,617(111.81%)

腕時計相場を見るうえで重要なのは

 以上、この1年で値上がりとなっているブランドを3つ紹介しましたが、今回紹介した「オメガ」「ブライトリング」「オフィチーネパネライ」以外にも、値上がりとなっているブランドはあるといえます。  直近1年においては、ロレックスやパテックフィリップなどが値下がりとなっているのは確かでありますが、そういった一方で値上がりとなっているブランドが混在するのが今の相場であるわけです。  よって、「今はなんとなく値下がり」というイメージにとらわれず、各ブランドの様子をしっかり把握して、全体像を掴むことが、現在の腕時計相場を見るうえでとても重要だといえます。
1986年生まれ。日本初の腕時計投資家として、「腕時計投資新聞」で執筆。母方の祖父はチャコット創業者、父は医者という裕福な家庭に生まれるが幼少期に両親が離婚。中学1年生の頃より、企業のホームページ作成業務を個人で請負い収入を得る。それを元手に高級腕時計を購入。その頃、買った値段より高く売る腕時計投資を考案し、時計の売買で資金を増やしていく。高校卒業後は就職、5年間の社会人経験を経てから筑波大学情報学群情報メディア創成学類に入学。お金を使わず贅沢する「ドケチ快適」のプロ。腕時計は買った値段より高く売却、ロールスロイスは実質10万円で購入。著書に『腕時計投資のすすめ』(イカロス出版)と『もう新品は買うな!』がある

もう新品は買うな!もう新品は買うな!

もう大量消費、大量生産で無駄遣いをするのはやめよう

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