ここまで、賛成の人、反対の人の、さまざまな考えを聞いてきた。 　世界一の軍事大国を目指し覇権を拡大している中国から、島や日本を守るために基地が必要だと考える人。先の戦争を体験したことから戦争に反対し、自衛隊駐屯地開設に反対する人。意見表明を求めたり、そうした人たちの声に耳を傾けたりしている人。意見は様々で、それぞれに納得できる点があった。 　ただ、僕としては、抑止力はやはり必要ではないかと思ってしまうのだ。 　ロシアがウクライナへ侵攻する一方、イスラエルで血なまぐさい戦いが突如勃発した。それこそ、多方面で同時に戦争が始まり、アメリカの戦力は分散している。そんな中で、もし中国が台湾そして八重山に侵攻し、さらに、ロシアが北海道へ攻め込んだりしたら、日本という国はひとたまりもない。 　 　そうならないためにも、抑止力はやはり必要ではないか。備えあれば憂いなしだと。もちろん、実際、起こらない可能性もあるわけだが――。 ＜取材・文・撮影／西牟田靖＞