更新日:2024年03月21日 12:06
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逮捕の可能性さえあった福原愛。バトルと和解に見る、共同親権への誤ったイメージ

ずっと雲隠れ状態だった元卓球日本代表の福原愛さん(35)が、2024年3月15日に突如、都内で記者会見を開いた。折しも、日本の国会で「共同親権」法案が審議されているが、台湾の共同親権制度のもとで起きた“子どもの取り合い”と和解から何が読み取れるだろうか?
福原愛

3月15日、会見する福原愛さん(産経新聞社)

逮捕の可能性さえあった福原愛

2022年、離婚した江宏傑さん(35)と福原さんの間で、日本と台湾をまたいでの親子交流が開始された。ところが福原さんが約束通り台湾に息子を帰さなかったため問題となり、関係が泥沼化。それ以来、彼女は表舞台から姿を消していた。未成年者略取による逮捕も噂されていた中、急転直下なぜ和解という決着をみたのか――。 3月15日午後2時、福原愛が日本外国特派員協会の会見場に姿を現した。反省の気持ちを表すかのような黒のスーツ姿。硬い表情で口を開く。 「この度は私のことで、皆様にご心配やご迷惑をおかけしてしまい、誠に大変申し訳なく思っております。江さんと和解いたしましたので、この場をお借りして皆様にご報告をさせていただきます。これからは、江さんと協力をして、子供を育てていきたいと思っております。皆様にはどうか温かく見守っていただければ幸いです。今後ともよろしくお願いいたします」 そこまで言い切ると、彼女はわずか数分で会場を退出した。和解に至った経緯などについて、何も話すことはなかった。

共同親権のもとでも起きた“子ども連れ去り”

和解についての弁護士による説明の前に、これまでの経緯を整理してみよう。
江さんとの間には、長男(’19年生)と長女(’17年生)がいる。2021年7月、二人が離婚した際、台湾の法律に従って共同親権で主要扶養者(日本でいう監護権)を江さんとして、定期的な交流の取り決めが交わされていた。 共同親権が原則の台湾では、裁判官が双方の意見と、子供の最大の利益を考えて、主要扶養者を決めることになっている。監護権(子どもと暮らして育てる権利)も、その他の権限も明確にするので、台湾の中での子連れ離婚は、もめることが少ないのだ。 ところが今回は、単独親権制度をとっている日本との間での国際離婚だったことも影響したのか、子どもを取り合うドロ沼の争いとなってしまった。 2022年7月、江さんは自身のSNSで「(福原さんが)子どもを連れて日本に帰国したまま連絡が取れなくなった」と明らかにした。さらには23年7月、江さんが会見し、日本の裁判所で審判を起こし、子の引き渡しを命じる審判が7月21日に下されたことを伝えたのだ。 その場で江さんは、任意での引き渡し望んだが、福原さんは応じず。23年8月には、福原さんの元にいる長男を強制執行という形で、台湾へ連れ戻す申し立てが認められた。 しかし、福原さん側は徹底抗戦し、7月の引き渡し審判への不服申し立て(抗告)を、東京高裁・最高裁に行っていた。 それに対し、江さんは福原さんを刑事告訴し、日本の警視庁に受理されていた。逃亡の恐れありと認められれば、未成年者略取容疑で福原さんは逮捕される可能性すらあったのだ。 このように揉め、最悪、逮捕されるかもしれない状況で、福原さんは表舞台から姿を消していた。
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日本人が持つ「共同親権」の間違ったイメージ
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