他人の動画をAIに学習させるだけ!? 最新エロ副業「ディープフェイク動画」の実力
AIの進化によってさまざまな分野で新サービスが生まれているが、エロ副業も例外ではない。 アダルト系アカウント「ハブ太郎」を運営したビジネスで稼いでいる渡邉康二さん(仮名)は、「最近は人間ではなく、AIを使ったアダルト系コンテンツが増えている」と話す。
そのなかでも特に最新手法とされているのが、「ディープフェイク動画」だ。なんでも、この技術を使えば、ネットに氾濫する他人のアダルト動画をAIに学習させたうえで、まるでオリジナル作品かのように稼げてしまうという……。
テクノロジーが生みだした、悪魔的稼ぎ方の全貌を明かす。
「これまでアダルト系のファンクラブサイトでは、男女の絡みや自慰行為など、“生身の人 間”による動画を載せて稼ぐ形ばかりでした。それが、人ではなくAI生成の画像や動画だけに特化したファンクラブが流行りはじめています」
実際に渡邉さんたちもAIを使ったコンテンツを試作しているという。
「AIアダルトの分野には、まだブランディングが確立しているキャラクターがいないの で、リアルな世界でも流行っている“フィットネス女子”や“筋トレ女子”などのAI画像をXに投稿して、ユーザーの反応を見ている段階です。ゆくゆくはヌードのバージョンはファンクラブで有料販売することも考えていますが、まだマネタイズまでは至っていません」
その理由が、AIアダルトを巡る規制の変化だ。
「AI生成画像が流行したときには規制もなくグレーな存在で、AIアダルト写真集を販売して荒稼ぎする人も多かったです。しかし、今年5月ごろからAmazonのkindleストアでAIアダルト関連の写真集に規制がかかり、販売禁止になったうえに垢バン(アカウントがなくなること)もされるようになりました。それに追従するように、コンテンツ販売プラットフォームの『パトロン』でも規制が強化されたので、今は販売できる場所が限られています」
そういった規制強化の流れを受けて、次なるAIエロ副業の稼ぎ方が登場してきたという。
「AI画像は規制が厳しくなりましたが、動画はまだグレーな部分が多いんです。とはいえ、AI動画は無料ソフト『ステーブル・ディフュージョン』を使っても、数十秒の動画を作るのに多大な時間がかかってしまうのがネックでした。そこで今、もっと手軽に作って稼げる手段として注目されているのが、ディープフェイク動画です」
これは、エロ動画素材サイトから動画をAIに学習させて、顔や背景を変えたディープフェイク動画にすれば“別作品”として販売できるという方法だ。実際に渡邉さんたちが作成した動画を見せてもらったところ、顔だけが別人に変わっていた。
「10分程度の動画なら、AI変換するのに1~2時間あればできます。作業自体もそこまで難しいことはない。素材サイトの外国人や素人が投稿しているアダルト動画をAIに学習させれば、現時点では著作権違反にはならないので罰することは難しい。僕らのチームでも何本か試作しましたが、もう少し調整すれば販売していけると思います」
さらに、ディープフェイク動画を販売するルートもバレにくい構造になっているという。
「今はアダルト転売を専門に請け負う人もいる。例えば、別の人が撮影したエロ動画を学 習して作ったディープフェイク動画を、アダルト転売ヤーたちが別のプラットフォームで販売する。彼らも転売するだけで月10万円ぐらいは稼げますし、制作側としても利益は落ちても万が一のリスクを軽減することができるので、手を組んでいるケースは増えていますね」
AI技術の介入によって混沌具合を増しているエロ副業。「AI美女が流行した次は、AI動画がブームになるのは確実」と見ている。
「AIアダルトジャンルでは、まだ飛びぬけた“スター”が生まれていません。だからこそ、AI エロでポジションを確立できたら大勝ちできるでしょう。例えば、AIセクシー女優界の“明日花キララ”とか“蒼井そら”のような存在を生み出せたら、世界のマーケットで大勝ちできると思いますね。普通のアフィリエイト報酬やネットビジネスに比べて、アダルトの世界は稼げる額がひと桁違う。だからこそ副業でも一発当たれば、億を稼ぐことも夢じゃないんです」
エロ副業からミリオネアを目指す——。それは決して夢物語ではないようだ。
<取材・文/MySPA!特別取材 モデル/星仲ここみ 写真/ピクスタ>
■次なるアダルトAIブームは「動画」で起こる
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