エンタメ

35歳の元『egg』モデルが、卒業から10年後もギャルを貫く理由

悩んでもeggモデルであり続けた理由

ゆまち ポジティブなギャル仲間もいた一方で、自身はネガティブな方だったと話す。たしかに当時の話を聞いていると、後ろ向きな発言が多いような気もする。  ではなぜそれだけ苦悩していたのにeggモデルを辞めなかったのだろうか。そう筆者が問うと、ゆまちさんは優しく微笑みながらすぐに答えた。 「eggが好きだったから。“eggモデルのゆまち”でいたかったから」  そして、eggモデルとしての思いをこのように語ってくれた。 「仕事って今まで全然続かなかったんです。続けられてもせいぜい半年ぐらい。そんな私がモデルでいられたのはやっぱり好きだったからなんですよね。せっかく見つけられた居場所を失いたくなかった。だからこそ不安だったんです。ずっと悩んでたけど、私の頭にあるのは卒業よりも“卒業を選ばないためにはどうするか”ということでした」  若手たちの勢いが増していくなかで、ゆまちさんはeggモデルであり続けた。2010年代前半になる頃には古着をMIXさせたファッションも流行し、見た目におけるギャルの在り方も様変わりしていた。  それでもゆまちさんのスタンスは変わらない。本誌では「ギャルが消滅しないようにゆまがギャル文化を盛り上げていきたい!!そのためにも、ゆまはずっとギャルで居続けようと思ってるよ」とコメントを寄せていたこともあった。 「ギャルは強くてかっこいいっていうのが、私の中のイメージなんです。eggのキャッチコピーは“GET WILD & BE SEXY”でしたけど、まさにそういう女性に惹かれていたんですよね」

「好きなことをしていたい」ギャルモデルからパチスロ演者へ

パチスロ関連

パチスロ関連の仕事<提供写真>

 高校時代に憧れていたギャル文化が失われないようモデル業に奮闘していたゆまちさんだったが、徐々に“やるべきことはすべてやりきった”という感覚も芽生えていったという。  そこでモデル以外の道について考えるようになっていく。元々仕事が続かない性格だったこともあり、好きなことでなければならないという思いも強い。そこでゆまちさんの興味を引いたのが、パチスロ関連の仕事だった。 「ずっとパチスロが好きだったんですよ。大好きすぎてその日撮影したギャラを使い果たしちゃうぐらい(笑)。本当にずっと打ちにいってたから、パチスロの仕事ができたら楽しいだろうなって」  eggモデルデビューを果たしてから6年9ヶ月。ゆまちさんは新たな道へ進むことを決意した。  卒業後、美容室の受付をやりながら、パチスロ系番組や来店イベントに出演するなどパチスロ演者としての活動をスタート。“元eggモデルのゆまち”という個性を活かしながら、パチスロの魅力を届けていった。
次のページ
ギャルファッションは「装備」
1
2
3
1994年生まれ。リアルサウンド編集部に所属後、現在はフリーライターに。『リアルサウンド』『日刊サイゾー』などで執筆。またnoteでは、クォーターライフクライシスの渦中にいる20代の声を集めたインタビューサイト『小さな生活の声』を運営している。

記事一覧へ
おすすめ記事
ハッシュタグ