パチンコ攻略法に「400万円使った」62歳男性。騙されても買い続けてしまった意外な理由
「パチンコには確実に儲かる必勝法がある」
このような謳い文句で売られている「パチンコ攻略法」をご存知だろうか。こういった攻略法は基本的に詐欺であることが多い。情報社会となった現在は、あまり見かけなくなったが、パチンコ雑誌に広告が掲載されていた時代もあった。パチンコにどうしても勝ちたくて、騙されて購入してしまった人もいるだろう。
今回は、そんなインチキ商材を購入してしまった過去を持つ、個人タクシーを営む村岡一郎さん(仮名・62歳)に話を聞いた。
村岡さんは自他共に認めるパチンコ好きだ。タクシーの運転手になったのも、趣味のパチンコが打てることにあったという。
「タクシーの運転手になったのは37歳だったかな。それまでは小っちゃい広告代理店で営業マンやってたんだけど、とにかく毎日夜中まで仕事して、土日も仕事で潰れることは珍しくなかった。ちょうど子供も生まれたばっかだったけど、子育てなんか嫁さんに任せっきりで夫婦揃ってノイローゼになっちゃった。それでいろいろ考えて、タクシーの運転手になろうって。個人タクシーになればずっと仕事ができるし、時間もある程度融通が利くからね」
会社員時代は営業回りの途中にサボってパチンコ屋へ行ったり、会社帰りに閉店まで打っていたというが、「どっちも打つ時間が限られてて心ゆくまで楽しめなかった」と村岡さん。そんな村岡さんは常々「パチンコには何かある」と思っていたという。
「私が若い頃に打ってたセブン機には“リーチ目”なんてものがある台もあって、特定の出目が出るとその次の回転で大当りって。連チャン機時代もいろんな攻略法があったから、ずっと“パチンコには何かある”って思ってた。
そんなとき、パチンコ雑誌に出ていた谷村ひとしって人が、大工の源さんには大当りする前にリーチ目が出るって言い始めて、えらいことになってた。『3・源・源』が出ると大当りが近いって。本当かよって思って打ち込んだんだけど、『3・源・源』なんてなっかなか出ないわけだ。そこで気づいたんだけど、別に『3・源・源』が出なくても当たるし、爆発するし、仮に『3・源・源』が本当にリーチ目だったとしても、大当りが早くわかるだけど意味ねぇじゃんって」
と、谷村ひとし氏を一蹴する村岡さんだが、「やっぱりパチンコには何かある」と改めて思ったという。
この出来事から数年後、村岡さんはある一台のパチンコと出合う。今なおヒットを続ける海物語シリーズだ。
「海物語の前のヤツ、ギンギラパラダイスも好きだったけど、海物語はハマッたね。もう、朝から晩まで海物語。なんとか攻略してやろうと思ってさ、出目を全部取ったこともある。何かあるんじゃないかって。それでもわかんなかったなぁ」
そんなある日、一通のダイレクトメールが郵便受けに入っていた。それは「海物語完全攻略」と打たれた攻略会社からのものであった。
「もう、万策尽きた。とにかく何でもいいから攻略のきっかけがほしかった。でも、冷静に考えるとそんな攻略法があったらみんなやってて、パチンコ屋は潰れちゃうでしょう。いや、それでも何かあるんじゃないかって」
そんな葛藤の日々を過ごした後、村岡さんは「ちょっと買ってみる」ことにしたという。
パチンコには何かある……と思った
海物語の出目をひたすらメモした日々
グルメ、カルチャー、ギャンブルまで、面白いと思ったらとことん突っ走って取材するフットワークの軽さが売り。業界紙、週刊誌を経て、気がつけば今に至る40代ライター
記事一覧へ
記事一覧へ
この記者は、他にもこんな記事を書いています
ハッシュタグ