現在のプレミアムエコノミークラス シート編
ANZプレミアムエコノミークラス(提供/ニュージーランド航空)
これらが進化したのが現在も続く国際線でのPYサービスだ。それでは、最新の姿がどのようになっているのかお知らせしたい。ここでは日系2社に加えて、筆者が体験したことのある
ニュージーランド航空(ANZ)のサービスを加えて紹介してみたい。各社、
同一機材のボーイング787-9で比べてみた。
評価内容は、利用者の満足度にダイレクトに影響するシートと機内食を中心に調べてみた。3社を比較すると、シート配列は2-3-2であり、座席幅も49cmと同一になった。そこで差が出るのは、
JALのピッチが107cmと最大になることである。ANAとの差は10cm(4インチ)あり、ニュージーランド航空は104cmと中間である。これをシートピッチの長さ順に一覧にしたのが、以下の表になる。ここでは、世間の評価通り、JALのシートピッチは特筆ものである。
・
JAL ピッチ/107cm(42inch) リクライニング/非公開 座席幅/49cm(19.3inch) IFE画面サイズ(12.1inch) アメニティ/歯ブラシ、アイマスク、耳栓、保湿マスク ラウンジ/条件付可
・
ANZ ピッチ/104cm(41inch) リクライニング/22cm(9inch) 座席幅/49cm(19.3inch) IFE画面サイズ(11inch) アメニティ/ハラケケシードオイル&マヌカウォーター、ハンド&ボディクリーム他 ラウンジ/不可
・
ANA ピッチ/97cm(38inch) リクライニング/非公開 座席幅/49cm(19.3inch) IFE画面サイズ(11inch) アメニティ/歯ブラシ、アイマスク、耳栓、ポケットティッシュ ラウンジ/条件付可
JAL 国際線プレミアムエコノミークラス(提供/JAL)
ANA 国際 プレミアムエコノミー シート(提供/ANA)
また、機内食を比較すると、日系エアラインでは、
基本的にPYとYのメニューは同じである。差異が出るのは、ドリンクでYのものに加え
PYではスパークリングワインと焼酎が選べることと、間食となるスナックに違いがある。そして、離陸後は食事なのに対し、到着前の2食目は軽食となる。対して、ニュージーランド航空は2食ともにしっかりとした食事になっている。
同程度のフライトタイムで比べると、羽田からシドニーでは2024年1月のJALは次のようなメニューとなる。食事として、とろけるチーズの「ドライカレー」または、つくねのピーマン添え「豚バラ焼き鳥丼」、パトンマカ、蓮根饅頭、イカ明太、フサッシュサラダ、ハーゲンダッツとなり、到着前の2回目の食事は、クラムチャウダー、バターロール、フレッシュフルーツ、ヨーグルトになる。
ANAも2種で「南蛮丼」か「ビーフシチューとオムライス」の選択で、前菜で合鴨のスモークサラダ、小鉢で大根鶏そぼろ煮、ミックスサラダ、ブレッド、デザートにハーゲンダッツ、2食目はサンドイッチ、フルーツ、ヨーグルトという構成だ。
ANZ プレミアムエコノミークラスサービス(筆者撮影)
ニュージーランド航空の機内食の一例は、以下の通り。
夕食の前菜は、スマックスパイスをきかせたサーモンローストグレープ、タブーレサラダ(レバノン風サラダ)、プリザーブドレモンマヨネーズ添え。
メインは3種で、「ラム肉」/「ムーア風チキン」/ 味噌とココナッツのブイヨンに漬けた「ハプカ(ニュージーランドオオハタ)のグリル」となり、デザートはホワイトチョコとローズウォーターのパンナコッタ・ピスタチオクリーム添え。
また、2食目はフルーツセレクション シリアルとヨーグルトの盛り合わせ、クロワッサン・フルーツジャム付き 更にあたたかい料理として「スクランブルエッグ」または、「スイートホットケーキ」の2種が用意される。日本食にこだわらないのであれば、充実したメニュー構成だ。
搭乗した際に、日本人客室乗務員に聞くと「ニュージーランド航空では、
プレミアムエコノミークラスから埋まる場合があり、とても人気が高いです。
食事は食器などを除き、ほぼビジネスクラス並みで、航空運賃はエコノミークラスに近いと宣伝していることから、売れています」と答えてくれた。