ライフ

シートの広さはJALの圧勝。国際線プレミアムエコノミーの“快適度”を徹底比較

空の上のクラス設定、変遷の歴史

JAL

JAL 国際線 ボーイング787-9 プレミアムエコノミークラス(JAL・HPより)

日本の空は1951年にJALがマーチン202で国内線サービスを実施したことから始まる。当初はクラスなどの差別化は無く、36の席を販売するだけのものだった。国際線はJALが1954年にDC-6Bにてファーストクラス(Fクラス)の設定のみで始め、すぐにエコノミークラス(Yクラス)との2クラス制が定着した。 1970年にボーイング747ジャンボジェットが登場し、空の旅が大衆化に向かう頃、同じエコノミークラスでも格安の団体チケットを持つ旅客とは別に、出張で正規運賃を支払う顧客に対してより上質のサービスを提供したのが、今は無きパンアメリカン航空であり、同社のクリッパークラスがビジネスクラスの誕生と言われている。ここで機内には3つ目のクラスができたことになる。 ビジネスクラスはブリティッシュエアウェイズが世界で最初にフルフラットシートを提供し、以降各社が競うようにサービスを向上させてきた。そのような変遷でビジネスとエコノミーの格差が広がり、エコノミークラスに格差をつけた少し贅沢なプレミアムエコノミー(PYクラス)が開発され、現在の長距離国際線で標準となった4クラスでのサービスが始まった。

国際線PYクラス、元祖はエバー航空

PYクラスサービスを最初に始めたのは、台湾のエバーエアであるという。同社は、1991年にボーイング767-300ERを使用して創業した。すぐに導入したボーイング747-400から他社との差別化を図るために、4つめのクラスを作ったのが最初になる。少し遅れてサービスを始めたのは、バージンアトランティック航空だ。
次のページ
日本でのプレミアムエコノミークラス
1
2
3
4
航空会社勤務歴を活かし、雑誌やWEBメディアで航空や旅に関する連載コラムを執筆する航空ジャーナリスト。YouTube チャンネル「そらオヤジ組」のほか、ブログ「Avian Wing」も更新中。大阪府出身で航空ジャーナリスト協会に所属する。Facebook avian.wing instagram@kitajimaavianwing

記事一覧へ
おすすめ記事