更新日:2024年01月24日 20:17
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「警察官になりすまし被害者宅へ…」闇バイトで逮捕された27歳男性の告白

「アパレルで働く」目標ができた

2023年4月に刑務所から出所後、現在はワンネス財団の回復施設へ入所しているというAさん。ギャンブル依存症からの回復を目指しつつ、自らで状態を立て直して社会復帰することを望んでいる。 「留置所にいるとき、同部屋だった人からここの話を聞きました。逮捕前に居酒屋で働いていたときは『こんなに労働しているのに、これだけのお金しかもらえない。ラクして稼ぎたい』と考え、ギャンブルや犯罪に手を染めてしまいました。『やめたほうがいいよ』とまわりに言われてもたぶんやめなかったし、いまでも同じことをしたと思います。 自分からはあまり他人に話しかけるほうではなかったのですが、ワンネスに来てコミュニケーションが取れるようになり、アパレル系の仕事がしたいという目標もできました。楽しく働きたいという考えに変わり、ギャンブルもしたいとは思いません。刑務所に入ることは世間的にはマイナスだし、履歴書に空白の期間ができるので、聞かれたら困ります。でも、プラスになったことも多いので、それをどのように伝えるかを考えていきたいです」

警視庁に闇バイトの実態を直撃

今回話を聞かせてくれたAさんのように、知人などまわりにいる人たちからの紹介で闇バイトに手を染める人も多い。具体的にはどのぐらいの割合なのだろうか。 警視庁の人身安全・少年課によると、「受け子などとなった経緯については、『SNSから応募』が506件(46.9%)と最も多く、次いで知人などの紹介』が297件(27.5%)でした。年齢別においては、10歳代では『知人などの紹介』が107件(56.9%)、20歳代以上は『SNSからの応募』が最も多く、50歳代以上は『求人情報サイト』も目立つという結果となっています(※2023年1月から7月末までに検挙した被疑者を対象)」 また、「他の業務では考えられないような高額な報酬が提示されている」「業務内容が不明確」「募集内容から要求される資格や経験が不問」のような特徴がある募集には気をつけてほしいと警鐘を鳴らす。 警視庁では、広報資料「犯罪実行者募集の実態 ~少年を『使い捨て』にする『闇バイト』の現実~」を作成するなどして注意喚起しているので、ぜひ参考にしてほしい。本人だけでなく、家族にも影響を及ぼしかねない闇バイト。好奇心や興味本位ではもちろん、たとえ目の前のお金に困っていたとしても手を出すべきではない。 <TEXT/山内良子> 【ワンネス財団】 2005年、奈良県内に薬物依存症者の回復共同体(現:奈良GARDEN)を開設。2014年に現在の名称に変更。ウェルビーイングが低くメンタルヘルスに課題を抱える人たちの孤独の解消と自己実現を支援。罪に問われた人、ひきこもり者、薬物やギャンブルなどの依存症者の心身の回復と、その後の成長を支援している。
フリーライター。ライフ系や節約、歴史や日本文化を中心に、取材や経営者向けの記事も執筆。おいしいものや楽しいこと、旅行が大好き! 金融会社での勤務経験や接客改善業務での経験を活かした記事も得意
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