“松井秀喜コーチ”の指導で、坂本・岡本は打撃覚醒。今年は「背番号55番の後輩」に高まる期待
巨人に所属する現役選手のなかで、圧倒的実績を残しているのが坂本勇人だ。坂本のキャリアは、一見順風満帆に見えるが実は2013〜2015年の打撃面は低空飛行だった。続く2016年にキャンプを迎えた際に、坂本は松井秀喜からの指導によって、軸足に重心をおく低く沈み込むようなフォームに改良。これにより、低調だった打撃が一気に開眼。リーグのみならず球界全体でもトップクラスの打撃成績を残すようになった。
後輩のブレイクに一躍買った松井だが、影響を受けたのはなにも坂本だけではない。現在の4番・岡本和真も松井の指導で飛躍を遂げた一人。そして、今シーズン、松井氏の指導によって“覚醒”が期待されるのは、4年目の秋広優人だ。
下記が坂本の松井の指導した前後年の打撃成績である。
2015年:打率.269、12本塁打、68打点 、OPS.754
2016年:打率.344、23本塁打、75打点 、OPS.988
一目瞭然で成績が変わっているのがわかる。このシーズンを機に坂本の打撃は、大きく変わり、2019年には打率.312 40本塁打 94打点 OPS.971を記録し、MVPに輝いた。指導の効果はてきめんだった。
岡本和真に関しては、鳴物入りでプロ入りするも、なかなか結果を出せずにいた。しかし、プロ入り4年目となる2018年のキャンプで松井から軸足に体重を残す打法を伝授され、若干22歳で「巨人の4番」として認められる打者にまで成長。
下記が松井の指導した前後年の打撃成績である。
2017年:打率.194、0本塁打、2打点、OPS.512
2018年:打率.309、33本塁打、100打点、OPS.935
岡本も、坂本と同様に指導されたシーズンを機に打撃成績が向上。このシーズンから6年連続30本塁打を記録しており、巨人の生え抜きでは松井以来だ。WBC出場で疲れが残るシーズンで、しかも投高打低の時代にシーズン40本塁打を達成していることが、非常に評価されるポイントだ。今シーズンは、かつて松井も記録した“7年連続30本塁打”に挑戦する。
“指導された”坂本の打撃成績は…
同じく岡本も成績が向上
1
2
野球評論家・著作家。これまでに 『巨人軍解体新書』(光文社新書)・『アンチデータベースボール』(カンゼン)・『戦略で読む高校野球』(集英社新書)などを出版。「ゴジキの巨人軍解体新書」や「データで読む高校野球 2022」、「ゴジキの新・野球論」を過去に連載。週刊プレイボーイやスポーツ報知、女性セブンなどメディアの取材も多数。Yahoo!ニュース公式コメンテーターにも選出。日刊SPA!にて寄稿に携わる。Twitter:@godziki_55
記事一覧へ
記事一覧へ
この記者は、他にもこんな記事を書いています
ハッシュタグ