更新日:2024年11月20日 17:04
仕事

1日300杯売った「ビールの売り子」が“壮絶な舞台裏”を語る。1杯あたりのインセンティブを暴露<漫画>

市場のシェア率と比較すると“売り子の実力”がわかる

ビール売り子 ビールの売り上げは売り子の実力によって左右する。ただ、もちろんビールのブランド力による差もあり、アサヒやキリンなどのブランド力が強いメーカーの方が売れやすいのは間違いない。売れやすい会社の売り子をやっていた方が得をする気もするが、佐々木さんによると、明確な売り子の評価基準があるという。 「私が働いていたときは、1日の売り上げの“シェア率”が発表されていました。ビール4社の売り上げに応じて、アサヒさんが何%売れて、キリンさんが何%売れて……みたいな感じで発表されます。その割合を市場でのシェア率と比較するんです。市場で売れているシェア率に対して、東京ドームでは何%だったという割合が、日によっては8倍とかになったりするわけですよ。そうなると、その日の『売り子のブランド力』が評価されます。シェア率が高いと報奨金が出たり、東京ドームシティで使える商品券がもらえたこともありました」

1日でもらえるインセンティブは

 また、ビールの売り子がもらえるインセンティブにも、闘争心を掻き立てられる仕組みがあったようだ。  「私が働いていたときは1杯800円の時代なので、今はまた変わっているかもしれませんし、メーカーによっても違うと思いますが……。時給とは別にもらえるインセンティブは、一杯あたり34円でした。ただ『達成金』という制度があって、例えば『100杯売ったらいくらアップ』というように、インセンティブの単価が上がっていく制度があったんです。具体的にいくらだったかは覚えていませんが、今も球場に観戦に行って終盤に焦っている売り子を見たら『達成金に到達するギリギリのラインなのかな』と思ってしまいますね(笑)」  野球観戦に花を添えているビールの売り子は、各社の売り子同士でライバル心を燃やし、さまざまなバトルを繰り広げている。佐々木さんは最後に「推しの売り子を見つけたら、その子のためにビールを飲み続けてあげてください。私は自分が売り子をやっていたメーカーの売り子からしか買わないですけどね(笑)」と話した。 取材・文/セールス森田
愛知県出身の漫画家。パチンコ・パチスロ漫画を中心に活躍し、‘15年より月刊ヤングマガジンで連載を始めた『賭博黙示録カイジ』のスピンオフ『中間管理録トネガワ』が大ヒット。サウナとビールの愉悦を描いた『極上!サウナめし』はサウナ好き必見の一冊 Twitter @hashimotosan84

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