毎日“同じビールの売り子”からしか買わない50代男性の狂気。個人情報を根掘り葉掘り聞き、最終的には“恐怖の展開”に
プロ野球の試合が開催される日には、数万人もの観客が球場に足を運ぶもの。そうなると、必然的に迷惑な客も存在することになる。ビールの売り子を務めていた佐々木史帆さん(仮名・20代)は、やっかいな客に悩んだ経験を持っている。
佐々木さんは学生時代、あるプロ野球の本拠地でビールを売っていたそうだ。
「野球にさほど興味はありませんでしたが、売り子をやっていた友達から『稼げるから一緒にやってみない?』と言われ、応募しました。その友達がいろいろと教えてくれたので、すんなり仕事ができるようになりました。ビールサーバーは重いし、試合中はずっと歩き回るので非常に疲れる仕事でしたが、やりがいはありました」
迷惑客との出会いは、売り子のアルバイトをはじめてから1年後のことだった。
「50代ぐらいのおじさんなんですが、私が近くに行くと必ずビールを買ってくれるようになったんです。友達に聞くと、こういうお得意様みたいなおじさんはどこにでもいるそうで、『たぶん話がしたくて買っているのだろうけど、金づるだと思って我慢していたほうがいい』と言うんです。たしかにビールを入れる際によく話しかけられて。内容はあまり頭の中に入っていなくて、適当に返していました。おじさんは、話ができて嬉しかったようですが、私はお得意さまの1人としか思ってなかった」
ところが、自分のビールしか買わない男性に、佐々木さんは徐々に違和感を覚えていった。
「お得意様と思っていたのですが、徐々に自分だけから買うおじさんが怖くなってきて。友達は『そういうもの』というのですが、ビールをついでいるときに『どこに住んでるの?』『次はいつ出勤するの?』などと根掘り葉掘り聞いてきて。素直に答えたら、必ず私の出勤日に顔を出すようになってしまって……。しばらくの間、ウソを言って遭遇しないようにしていました」
意図的に会わないようにしていたわけだが、徐々に避けきれなくなったという。
「ふとしたタイミングでまた会ってしまったんです。真顔で『嘘、ついてない?』と言われて……。その場は笑ってごまかしましたが、おじさん曰く、『友だちが見たと言っていたよ?』と。『休みの子がいて、急遽出ることになった』というと、『連絡先を教えてほしい』と言ってきて……。『スマホが壊れている』と苦しい言い訳をして乗り切りました。その後、試合がある人は毎日球場に来て『私だけ』からビールを買うんです。本当に気分が悪くて、おじさんの周りを避けるようになりました。手を挙げられても、見て見ぬふりをしました。すると『こっちだ!』と大きく声を出されてしまいました。そうなると行かざるをえませんよね…」
お得意さまの1人かと思いきや…
個人情報を根掘り葉掘り聞いてくる
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複数媒体で執筆中のサラリーマンライター。ファミレスでも美味しい鰻を出すライターを目指している。得意分野は社会、スポーツ、将棋など
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