更新日:2024年03月05日 18:40
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海外から注目されている「日本の兵器」。見本市で見た、意外なメーカー14社とその評判

武器輸出は友好国を増やすためにも不可欠

[日本の兵器]を海外に売り込め!

中国の覇権に怯えるにアジア諸国の関心は高い。写真は説明に耳を傾けるフィリピン航空大学の学生

「日本の防衛産業は企業の撤退や倒産が相次ぎ、危機的な状況でした。防衛装備品を生産できなければ輸入に頼らざるを得ず、そうなると税金が使われ、価格もコントロールできない。安定供給のためには、“国産”が大事なのです」  防衛問題研究家の桜林美佐氏は、国産武器の重要性をそう強調する。一方で輸出については、産業の振興よりも、安全保障の意義のほうが強いと言う。 「自衛隊向けの製品をそのまま輸出することはできず、スペックを変更するには設備の改修も必要で、コストがかかります。  こうしたなか、輸出する意義は企業利益よりも外交面にあります。中国が地域での影響力を強めることで、日本の味方が少なくなる恐れがあります。  友好国を増やしていくことが中国との戦争を防ぎ、平和を維持するためには不可欠。そのきっかけとなるのが武器輸出なのです」

もっとしっかり議論をするべき

[日本の兵器]を海外に売り込め!

出典:『読売新聞』、ストックホルム国際平和研究所 ※’17~’21年

 輸出を促進し、海外のライバルに食い込むことができれば、日本のプレゼンスは高まる。ただし、それを実現するには昨年末の防衛装備移転三原則の改正だけでは不十分だ。他国と共同開発した防衛装備品などの輸出が見送られたからだ。 「量産してコストを削減するために共同開発するのですから、開発を進める前に輸出を認めておくべきでした。やみくもに輸出すべきではありませんが、もっとしっかり議論をするべきです」  武器輸出が軌道に乗るには、もう少し時間がかかりそうだ。
[日本の兵器]を海外に売り込め!

桜林美佐氏

【桜林美佐氏】 フリーアナウンサー、ディレクターを経て防衛問題研究家に。防衛・安全保障問題の専門家。著書に『危機迫る日本の防衛産業』など。 取材・文・写真/吉永ケンジ(安全保障ジャーナリスト)、大橋史彦(桜林美佐氏のパート)
防衛省・自衛隊などで約30年にわたり情報戦の最前線に従事。現在は安全保障ジャーナリストとして、朝鮮半島を主とする北東アジア情勢、武器輸出を中心に取材する。
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