更新日:2024年05月02日 20:10
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「客室平均単価」が3年で3倍にも…“荒稼ぎするホテル業界”が稼ぎ時のGWを手放しで歓迎できないワケ

リベンジ消費にインバウンド消費が加わり…

 コロナで大打撃を受けたホテル業界は、力強く回復しています。ワシントンホテルなどを運営する藤田観光は、2023年度のホテル事業の営業利益が2019年度を上回りました。  ホテルの客室稼働率は83%で、2019年度の90%を超えていません。しかし、客室平均単価は1万1251円から1万3052円へと16.0%上昇しています。それが増益の原動力となったのです。  しかも、藤田観光は2024年度の客室平均単価はリベンジ消費にインバウンド消費が加わり、更なる上昇余地があるとの見通しを示しています。

リゾナーレの客室単価は「4万円から7万円」に

 星野リゾートも極めて好調です。主力施設であるリゾナーレは、2023年度(2022年11月-2023年10月)の客室平均単価が6万9943円でした。2019年度は4万3478円。1.6倍に膨らんでいます。客室稼働率は86.4%から74.6%に下がっていますが、単価増で施設全体の収益性は上がりました。  星のやも客室平均単価が7万4670円から9万995円へと1.2倍に増加しました。稼働率はやはり89.1%から74.9%へと下がっていますが、コロナ前よりも稼ぐ力は上がっています。  宿泊業界は需要が安定してきたため、無理な値下げで宿泊客を獲得する理由がなくなりました。濡れ手に粟とまではいかないまでも、コロナ禍で失われた穴を埋めるには十分なマーケットが形成されたと言えるでしょう。
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「宿泊施設のアルバイト求人数」は2倍に膨らむ
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フリーライター。大企業から中小企業まで幅広く経営支援を行った経験を活かし、経済や金融に関連する記事を執筆中。得意領域は外食、ホテル、映画・ゲームなどエンターテインメント業界
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