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パチンコをヤメたオッサンたちの主張。萌え系無理、複雑すぎる、出玉が少ない――大反響・仰天ニュース

大事件ばかりがニュースではない。身近で巻起こった仰天ニュースを厳選、今回は反響の大きかった記事より、いま再び話題になっている記事に注目し紹介する!(集計期間は2018年1月~2023年12月まで。初公開2022年5月31日 記事は取材時の状況)  *  *  *

1年で180万人のファンが減ったパチンコ業界

パチンコ

写真はイメージ

 娯楽の王様と呼ばれたパチンコ業界が斜陽化して久しい。余暇動向をまとめた『レジャー白書2021』によれば、2020年のパチンコ・パチスロの参加人口は710万人。パチンコのファン人口は1995年の3000万人をピークに下降線を辿り、2015年には1000万人となった。2019年には過去最低となる890万人を記録してニュースとなったが、2年連続で過去最低を更新したばかりか、1年間で180万人ものファン離れが起きたことは業界に更なる衝撃を与えた。  筆者がパチンコを覚えたのは、ファン人口がピークと言われた1995年頃。パチンコは連チャン機、スロットは裏モノが幅をきかせてホール内はまさに鉄火場。平日でも開店前には老若男女が砂糖に群がるアリのように、入り口に殺到していた。  当時の客のイメージは30〜40代のおっさんが多く、イイ歳こいたオッサンが一球ごとに一喜一憂して熱くなる姿はホールの風物詩。まさにパチンコが娯楽の王様たる所以かと思ったものである。

パチンコ屋からなぜオッサンは消えたのか?

 だが、時は過ぎて2022年の今、オッサンだらけだったホールの客層はどちらかと言えば若者が多く、筆者のようなオッサンパチンコ打ちは少数派の存在に。目をギラギラ輝かせながらくわえタバコで文句を言いながら台をバンバン叩くオッサンやオバチャンなど皆無である。そもそもホールは禁煙だし……。筆者の友人達も、大学時代は一緒に朝から並んだパチンコバカばかりだったのに、聞けば誰もパチンコ、パチスロを打たなくなってしまった。  パチンコ依存という言葉があるが、実は依存してしまう人よりもヤメる人の方が多いのでは……とすら思ってしまった。  そこで今回はオーバー40を中心にパチンコをヤメてしまった人たちに、そのワケを聞いてみた。するとそこには、オッサンならではの言い分があったのである。

萌え系の台が恥ずかしくて打てない

昨今ではアニメとタイアップした台が増え、純粋にパチンコを楽しみたいオッサン世代としては、遊技するのが恥ずかしくなる台もある

 都内在住の松本智之さん(仮名・46歳)は、パチンコをヤメたのは今から3年ほど前だという。松本さんのパチンコ歴は浪人時代にさかのぼり、大学時代は「クランキーコンドルのリプレイハズシがバイトだった」と語るほどのめり込んでいた過去がある。何がきっかけでパチンコをヤメたのだろうか。 「連チャン規制されたり、出玉が〜ってのもあるけど、一番の理由は萌え系の台ばっかで恥ずかしくて打てなくなった。萌え系が好きな人にはたまんないのかもしんないけど、私はちょっと敬遠してしまう。『おしおきピラミッ伝』とか、ゲーム性で好きで打ち込んだ台もあったんだけど、どうしても抵抗感が拭えなくて、萌え系の台を避けるようになっちゃった」  とは言え、いくら萌え系の台が苦手だからといえ、萌え系以外の台も多数あるワケだが……。 「確かに萌え系じゃない台も多いけど、それ以上に抵抗があったのは萌え系キャラを前面に推し出したポップが店内だけじゃなくて、店の外にもデカデカとね……。やっぱ我々の世代は、どちらかというとギラギラのネオンの方が馴染みがある。20代とかならいいけど、40オーバーのオッサンにとってはなかなかにツラい(苦笑)」

エロ系スロットに血眼だったオッサンを思い出し引退を決意

 そんな松本さんがパチンコ引退を決定づける出来事が起きた。 「昔、美麗っていうスロットがあって、AV女優とコラボっていうとんでもない台があったの。BIG中はストップボタンを押すタイミングでパネルを壊すミニゲームがあって、パネル壊すとセクシーショットが見られるワケ。で、そのタイミングに合わせてバシバシ押してたんだけど、たまに猛烈な勢いでさ、本気でミニゲームやってるオッサンとかいて、ちょっとなぁ〜って思ってた。でも、あれから10年以上たってシンデレラブレイドでおしりペンペンタイムで気合入れて叩いてるオレって、美麗のオッサンだったんだよなぁって」  では、萌え系の台が今よりも減って、ポップも大人しくなったら松本さんはパチンコ復活するのかと問うと……。 「打つかもしれないなぁ。結局、パチンコ屋って居心地がよかったから行ってたと思うんだよね。結局、萌え系が多い場所っていうのは、オレにとっては居心地がよくないわけ。とは言え、今のパチンコの姿って客から求められているからこのスタイルになったわけじゃない。ってことは、オレみたいなのは少数派なわけで、少数派に合わせなくてもいいとも思う」  オッサンにとって、確かに萌え系はツラいのかもしれない。
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グルメ、カルチャー、ギャンブルまで、面白いと思ったらとことん突っ走って取材するフットワークの軽さが売り。業界紙、週刊誌を経て、気がつけば今に至る40代ライター

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