お金

50万円台の激安ベンツが「実はお買い得といえる」ワケ。“壊れそうなイメージ”の実体とは

 現在、激安価格で売られているメルセデスの主な年式は2010年や2008年といった世代。また、売られているのは、AクラスやBクラス、Cクラスが中心であります。私の経験上、こういった車種・年式は、ベンツの中でもあまりお金がかからないといえます。  ざっくりいうならば、年式では2000年以降、Eクラスまでのグレードがそこまでお金がかからず維持できるという感じです(Eクラスでも古い年式(例:W124)はお金がかかる)。  ですから、現在「激安ベンツ」として売られている個体の中には「維持費がそこまでかからず乗れる」モノがある状態といえるのです。

ベンツの維持費-Aクラス(W169)

W169型Aクラスは、総額30万円程度で程度が良さそうな車両が入手可能

W169型Aクラスは、総額30万円程度で程度が良さそうな車両が入手可能

 では、現在激安価格で売られている年式のベンツの維持費はどんな感じなのでしょう。私は、2020年に友人にW169型Aクラスをプレゼントしたのですが、これが今、ちょうど「激安ベンツ」として総額約30万円で売られています。  では、2020年から現在までにかけて、Aクラスの維持費(車検代等の費用以外に発生した整備代)がどれくらいかというと、約7万円でした。 <7万円の内訳> ・運転席のパワーウィンドウが締まりきらなくなった⇒修理 ・トランクに雨水がたまる⇒修理  約4年にわたってW169を維持する様子を見てきましたが、エンジンや変速機が壊れるといった不具合はありませんでした。直した部分は、「窓が締まりきらない」とか「雨漏り」といった程度であります。
ベンツ

エンジン、ミッションの故障はなく、ショックアブソーバーといった足回り部品の不具合もない

 こういった不具合は、日本車ではあまり聞かないため、「やはり輸入車ならでは」と思う一方、「修理代がすごく高い」というわけではありません。仮に総額30万円で買ったならば、修理代7万円を足したとしても、総額37万円で乗れてしまうため、「安物買いの銭失い」とはいえないでしょう。

ベンツの維持費-Eクラス(W211)

 次に、W211のE320CDIワゴンを2年維持しているのですが、2年で約3万km走行してかかった維持費(車検代等の費用以外に発生した整備代)は、約25万円といったところでした。  総額70万円で買ったため、修理代を入れても100万円以内で収まっている計算です。  CDIはディーゼルターボのため、0-100km加速は約7秒という速さ。どれでも燃料代が安く済みます。また、ハイブリッド車とは異なり、飛ばしても燃費が良いのです。修理代がかかったとはいえ、総額100万円程度でこのようなクルマに乗ることができるというのは、とても良い選択だと思います。 <25万円の内訳> ・ターボ関連部品が壊れて、ターボ効かない状態 ・リアのエアサスが駄目で交換(左右)  上記不具合は、買った直後に起こったのですが、それ以来約3万km、不具合はありません。オイル交換(5000kmに1度)以外はノーメンテナンス状態ですが、約17年前のベンツを「2年で3万km走行」という使い方をしても壊れる気配はありません。  W211の後期は、特に維持費が安価といわれていますが、E320CDIの経験からしても、それは事実だと思います。なお、W211は、W140世代のように、各ゴムブッシュといった消耗品を交換しなくても「快適」と思える乗り味であるため、結果的にかかるお金が安価なのだと思います。
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壊れないベンツの特徴をまとめてみた
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1986年生まれ。日本初の腕時計投資家として、「腕時計投資新聞」で執筆。母方の祖父はチャコット創業者、父は医者という裕福な家庭に生まれるが幼少期に両親が離婚。中学1年生の頃より、企業のホームページ作成業務を個人で請負い収入を得る。それを元手に高級腕時計を購入。その頃、買った値段より高く売る腕時計投資を考案し、時計の売買で資金を増やしていく。高校卒業後は就職、5年間の社会人経験を経てから筑波大学情報学群情報メディア創成学類に入学。お金を使わず贅沢する「ドケチ快適」のプロ。腕時計は買った値段より高く売却、ロールスロイスは実質10万円で購入。著書に『腕時計投資のすすめ』(イカロス出版)と『もう新品は買うな!』がある

もう新品は買うな!もう新品は買うな!

もう大量消費、大量生産で無駄遣いをするのはやめよう


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