深夜残業中に職場の植木鉢を投げ散らかした新入社員「まさか彼が不満を抱えていたなんて…」
我々が働くオフィスでは「まさかあの人が……」と驚くような珍事件が日々、起きているはず。新聞の紙面に載るものはほんの一部で、多くは闇に葬られている。
筆者(綾部まと)は新卒から8年間、メガバンクの法人営業部門で働いていた。財閥系の銀行で、関連会社やグループ会社の社員とも接する機会が多かった。世間一般ではエリートとされる財閥系の金融機関で働く彼らだが、中にはトンデモない事件を起こす者もいた。
今回はそのエピソードの一部をご紹介する。
証券会社で働くAさんは、珍事件を起こした新入社員の男性について語ってくれた。
「証券の新卒は、普通は営業店に配属されるはずなんです。でも彼は、いきなり僕のいるM&Aの部署に来ました。初めは心配でしたよ。うちの部は激務で有名ですから。でも彼は膨大な業務量をこなして、積極的に勉強して、専門性も身につけていきました」
京都大学を卒業した彼は素直でルックスも良く、まさに完璧な好青年に見えたそうだ。頭が切れるため、すぐにAさんを含む部署の皆に受け入れられたという。
「うちの部は出世コースだから、所属しているだけで『すごい!』と言ってもらえるので、自己承認欲求も満たされているように見えました。飲み会にもよく来てくれて、付き合いも良かったから、彼が不満を抱えているなんて思ってもみませんでした」
しかし案件のスケジュールによっては、土日も寝る間も惜しんで働く部署である。クライアントからの要望が増えるたびに、部下の顔からは笑顔が消えていったらしい。そして事件は、深夜残業をした翌日に起こったようだ。
「朝礼で彼の姿が見当たりませんでした。休暇の連絡ももらっていません。人事部から課長に内線が入り、嫌な予感がしました」
どうやら人事部の話によると、その新入社員が深夜の本店で、破壊行為をしていたのだという。
「監視カメラに映っていたみたいです。本店の受付に飾られていた植木鉢を、次々と床に叩きつけて割る様子が……」
不幸中の幸いで事件は開店前に発覚したため、社員が大急ぎで掃除をして、お客様にご迷惑はかけずに済んだとのこと。その新入社員はワークライフバランスを重視した部署に異動になり、今では健やかに過ごしているそうだ。
出世コースのM&A部に配属された新入社員が……
深夜に本店の植木鉢を叩き割る
ライター、作家。主に金融や恋愛について執筆。メガバンク法人営業・経済メディアで働いた経験から、金融女子の観点で記事を寄稿。趣味はサウナ。X(旧Twitter):@yel_ranunculus、note:@happymother
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