仕事

深夜残業中に職場の植木鉢を投げ散らかした新入社員「まさか彼が不満を抱えていたなんて…」

全く働かない上司と若いアシスタントを抱えた3名の部署

明るいオフィスに勤務をする他にもAさんは、珍事件を起こした人間を知っているらしい。 「彼は穏やかで人当たりが良い、旧帝大を出たエリートでした。ただし、部署に恵まれなかったんですよね」 その部署は証券では珍しく、上司、アシスタント、彼の、たった3名の部署だったという。 「その上司というのが、ちっとも働かないみたいで。リモートワークだと嘘をついて昼から酒を飲んでいたり、出張と称してアイドルの推し活をするために遠征をしたりしていたみたいです」 アシスタントはまだ若く、頼るわけにはいかなかったのだそうだ。そのため、上司の分も彼は仕事をしていたとのこと。そしてその不満は、思わぬ形となって爆発することになる。

「俺はスパイダーマンだ!」と本店の壁を登る

窓「ある夜、残業しているとサイレンの音が聞こえたんです。どこかで火事かと思いきや、外でメガホンで話しているような声が声が聞こえました。窓を覗いてみると、消防車がうちの会社のすぐ近くに停まっていたんです」 はしご車が伸びていて、その先にいた人物を見て彼は驚いたのだという。 「それがあいつでした。窓から上によじ登ろうとしていたんです。血走った目で何かを叫んでいて、後から聞いたところ『俺はスパイダーマンだ! だから、この壁を登れるんだ! 邪魔をするな!』と言っていたそうです」 普段の彼からは想像もつかない様子に、Aさんを含む社員たちは、ただただ唖然としていたという。 噂によると彼は「色々と限界だった。今起きていることは現実ではなくて、別の世界に生きていると思い込まないとやっていけなかった」と打ち明けたという。彼は休職をして、実家で療養しているそうだ。
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メガバンクの課長の裏の顔
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ライター、作家。主に金融や恋愛について執筆。メガバンク法人営業・経済メディアで働いた経験から、金融女子の観点で記事を寄稿。趣味はサウナ。X(旧Twitter):@yel_ranunculus、note:@happymother

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