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「永野VS陣内智則 」ガチ乱闘の行方。バラエティにおける“プロレス”と“暴走する芸人”の必要性

太田光が背負ってきた役目

 しかし、長らくその席に座る者は、太田光だけだったと思う。特に「めちゃイケ」が終了し、宮迫博之が「アメトーーク!」を退いたことで、江頭2:50の姿をテレビで見なくなってからは、太田光が一身にその役目を背負っていたように思う。  誰だってそんなリスキーで損な役回りはしたくないし、一朝一夕でできるものでもないから、そのような状況になったのではないだろうか。  そこにやっと登場してきたのが永野ではなかったか。そんな永野は、以前からずっと太田光に対してシンパシーを感じていたようだ。  30日放送の「週刊さんまとマツコ」に出演した永野は、「太田さんはともにスベってくれるというか……」と、太田に対する共感を語った。続けて「いろいろ呼んでくれまして。ラジオであったり、爆チュー問題とかうれしかったですね」と感謝の気持ちを述べた。狼藉芸人同士の共感! なんという良い話!

今後のバラエティー番組に必要な芸人

 コンプライアンス遵守の風潮により、テレビの世界から「リアクション芸人」の「文化」は消えてしまった。しかし、狼藉芸人は生きている。  いや「狼藉」などと言ったら、イメージが悪すぎる。そこで、彼らをリアクション芸人にちなんで、フリクション(摩擦)芸人と呼ぶのはどうだろう?   そう考えながら、テレビ界を見渡してみると、永野の他にも、ランジャタイの国崎など、次世代フリクション芸人のスター候補の存在が見えてきた。バラエティー番組がバラエティー番組らしい姿をし続けられるように、永野を筆頭に、新しい狼藉者の活躍を期待したい。
1968年生まれ。構成作家。『電気グルーヴのオールナイトニッポン』をはじめ『ピエール瀧のしょんないTV』などを担当。週刊SPA!にて読者投稿コーナー『バカはサイレンで泣く』、KAMINOGEにて『自己投影観戦記~できれば強くなりたかった~』を連載中。ツイッター @mo_shiina
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