仕事

災害で電車が運休しても上司は「商談に行け」の一点張り…“超遠回り”した部下を襲った“つらい仕打ち”

前泊&超遠回り出張に対する上司の労いの言葉はなし

美瑛

美瑛走行中の車窓から

 帯広には定刻より約20分遅れだったが、なんとか予定していた13時には取引先の会社に到着。商談では旭川からの迂回ルートで来たことを話すと驚かれたが、先方の担当者も何度かドライブしたことがあるルートだったらしく、思いのほか話が盛り上がったそうだ。 「その方とはそれまで雑談することがほとんどなかったため、距離感を縮めることができました。新規の契約も無事受注することができましたし、遠回りしてまでわざわざ来た甲斐がありました」  帰りは商談の終わる時間が読めなかったのでバスの予約はしていなかったが、幸いにも15時半発の札幌行きのバスに若干の空きが残っていたのでチケットを購入。出発までは少し時間があっため、遅めの昼食を取るために入ったのは、地元では名物の豚丼以上に支持されているご当地カレーチェーンの『インデアン』。メールのチェックをしながら上司にも契約が成立したことを報告。すると、すぐに返信が届いたそうだ。 「契約が取れたことは喜んでくれましたが、超遠回りで出張に行かせたことに対する労いの言葉は一切なし。文句のひとつでも言ってやりたかったですけど、相手は上司なので何も言えませんでした」

日曜夜から移動したのに振替休日も休日手当もなし

 札幌中心部のオフィスに着いたのはすでに日も暮れた19時半過ぎ。安村さんは翌朝までに商談報告書を上司に提出しなければならず、また、この日のうちに処理しなければいけない別の仕事もあった。結局、家路についたのは23時過ぎだったという。 「JRだったら電車の中でもノートPCを開いて仕事ができますが、バスでそれをやると酔ってしまうので。試しに少し作業をしてみたのですが、やっぱり気持ち悪くなって途中で諦めました」  また、日曜日の夜に急きょ旭川への移動を強いられたにもかかわらず、振替休日や休日手当などは一切発生しなかったそうです。 「上司曰く業務命令ではなくアドバイスという認識みたいです。『自主的な移動をしただけで休日勤務にはならない』って。前泊しなきゃ商談には間に合わなかったのにこの仕打ちはあんまりですよ」  いちばん腹が立ったのは上司に対してだったようだ。 <TEXT/トシタカマサ>
ビジネスや旅行、サブカルなど幅広いジャンルを扱うフリーライター。リサーチャーとしても活動しており、大好物は一般男女のスカッと話やトンデモエピソード。4年前から東京と地方の二拠点生活を満喫中。
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