更新日:2024年11月11日 14:25
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6年間ネットカフェで生活する41歳男性、妻子アリ会社員なのに「家に帰れない」ワケ

「ネカフェのほうが楽だ」“見えない”貧困層の存在

[ネカフェ長期難民]の実態

写真はイメージです

孤立したネットカフェ難民に対しては、どのような支援が有効なのか。生活困窮者への支援を行う「なないろ」の阿曽卓氏はこう解説する。 「我々の場合、行っている支援は大きく3つで、まず生活保護の申請、次に一般住宅への移行、そして就労支援です。申請が通れば月13万〜14万円が支給されるので、それを元手に家賃5万3700円の住宅を紹介しつつ、ハローワークに付き添って定職探しを後押ししています」 しかし、実際に社会復帰に至るのは「全体のわずか数パーセント」と明かす。 「まず生活保護を受ける段階で半数ほどが挫折し、さらに就労する段階で多くの人が諦めます。生活保護を受けるのに抵抗があったり、うつ病や対人不安などの精神疾患から毎朝起きられなかったり、楽して生活保護を受給したいと捉える当事者が多いです。昨今では、月10万円ちょっと稼いで、ネカフェで自堕落に暮らしているほうが楽だと考える『見えない貧困層』が増えています。確かにネカフェは快適かもしれませんが、怖いのはいざ病気など問題が起こった際に手遅れになりやすいこと。滞在期間が長いほど就労の選択肢も狭まり、社会復帰の意思も薄れていきます」 また、見えない貧困層こそ支援に繋がりづらい、あるいは支援を拒否するという課題もある。そこで重要なのは、早期発見と早期支援だという。 「貧困は病気と同じで、早い段階で手を打てば、悪化せずに済むケースが多いです」 状況が長引くほど、困難になるのは想像に難くない。 【一般社団法人なないろ 阿曽 卓氏】 東京23区で生活困窮者の住まい探しを専門に支援活動を行う。毎週土曜日、14時より都庁下で食糧配布や生活相談を実施中 取材・文/週刊SPA!編集部
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