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葬儀屋バイト芸人に聞いた“近年の葬儀事情”。「親の葬儀にお金をかける人」には意外な共通点が

まさかの「ご遺体の取り違え」を経験

ご遺体の取り違え葬儀には何人ものスタッフが関わるため、他の人のミスで現場が混乱することもあるという。不謹慎と思いながらも、つい噴き出してしまうという思い出が、まさかのご遺体の取り違えだ。 「葬儀場にはご遺体を安置する部屋があって、葬儀のはじまる前に、スタッフが安置室から斎場までご遺体を運びます。ある日の葬儀で、いつもと同じように斎場までご遺体を運び、ご遺族が最後の別れをしようと顔を見た瞬間に『誰、この人?』と言われたんです。 安置室では、ご遺体に名字と下の名前の一文字目が書かれた名札が付けられるのですが、安置室の方がご高齢で苗字が同じだったので間違えたようでした。 遺影とまったく違う方だったので、スタッフ総出で本来のご遺体を探して入れ替えました。予想外のトラブルに、みんなで『急げ!』とか言いながらご遺体を探してて、『なんか、ドリフの転換みたいだな』と思っちゃいました(苦笑)」

コロナ禍の異様な光景。iPadを使って遠隔で最期のお別れ

コロナ禍の葬儀屋事情

早い段階でコロナの怖さを知った安田さん。感染することはなかった

コロナがはじまった頃、安田さんのバイト先は、コロナで亡くなった方を担当することになった。 「コロナ関連のニュースが出はじめたばかりの頃で何もわからなかったし、1件1万円の特別手当が出ると聞いたので、やることにしました。病院に行くと、そこには滅多に会えない先輩がいて、開口一番『芸人なんだから、この案件は受けちゃダメだよ』って言われたんです。 その先輩は葬儀のプロフェッショナルで、SARS・MERSの現場に出ていて、実際に両方の感染を体験されていたんです。顔も広くて、中国の武漢に住む友人から話を聞いていたらしく、『コロナはSARS・MERSよりも大変な感染症で、これから日本でも広がるし、街もロックダウンするし……』といろいろ聞かされました」 それまではスーツ姿で病室へ行き、顔に打ち覆い(ハンカチのような布)をかぶせたご遺体をストレッチャーに乗せて霊安室まで運んでいたが、この時は違った。 「先輩のご厚意で、僕は防護服を着たまま霊安室で待機しました。ご遺体は先輩が一人で運んでくださったのですが、棺には目張りがしてあって、火葬場に届けるだけの状態になってました。 あと、感染防止のためにスタッフが一人だけ病室に入り、iPadにお顔を映して、遠隔でご遺族と最期のお別れをしてもらうように変わりました。コロナの恐ろしさを教えてもらってからは、コロナ以外で亡くなったご遺体だけを担当するようになりました」 芸人としても危機感を抱いた安田さんは、知り得た情報を所属事務所に伝え、ライブを中断するよう直談判。2020年に入り、浅井企画は他の事務所に先駆けてライブを自粛した。
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葬儀屋バイトだからわかる、小規模葬儀の落とし穴
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東京在住のフリーライター。 お笑い、歴史、グルメ、美容・健康など、専門を作らずに興味の惹かれるまま幅広いジャンルで活動中。X(旧Twitter):@mochico_abekawa
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