更新日:2024年11月16日 16:44
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「松本人志VS文春」裁判記録に書かれていた“衝撃の事実”。松本氏側が提出した“異例すぎる証拠”も明らかに

文春側の「準備書面」に書かれていたこと

東京地方裁判所

東京地方裁判所/筆者撮影

 双方でA子さん・B子さんの氏名などを開示の有無で押し問答が続いていた最中、8月14日の弁論準備期日を前に文春側が動き出した。  文春側は全19ページに及ぶ「準備書面」(2024年8月7日付け)と、取材メモなど20点の証拠を提出。これまでの押し問答とは異なり、記事内容の「真実性」という、最大の論題へ舵を切ったのだ。  この書面には、2020年7月の取材から2023年12月の記事掲載まで、取材の経緯や方法などが事細かく記述されている。例えば、2020年7月中旬にとある芸人の不倫記事を読んだA子さんが、知人の弁護士を介して週刊文春へ「ある女性が『○○さん(注:筆者で名前を伏せた)のことが記事になるのであれば、私はもっと酷いことをされた』と話している。その相手は松本人志さんです」と告発したことなど。  他にも、文春の記者はA子さんに、ホワイトボードに現場見取図を書かせるなどして、実際に現場同様のホテルの一室で実況見分をしていた。取材メモは、まさしく刑事事件の裁判記録のような緻密さ。  さらには、B子さんの交際相手にも取材をしており、「当時の僕が推察するに、彼女が泣きながら電話をしてきた時点で『これは松ちゃんとの間で何かあったな』と感じた」などの証言を得ている。

文春側は「原告の主張が全くの虚偽である」と主張

 文春側は、A子さんが当時のことについて、参加者が金髪にした松本氏に対して、「芸能人でこれだけ金髪の似合う方はいませんよ」とおべっかを使っていたことを記憶しているなどから、女性らの証言は「具体性、迫真性に富んだもの」と評価。同書面で、「原告は、個別具体的な認否を避け、(略)概括的な否認をするにとどまるが、この原告の主張が全くの虚偽であることは明らかである」と結語した。  同書面の提出を受け、8月14日の弁論準備期日は取り消しに。改めて、11月11日に指定されたが、松本さん側はその3日前の同月8日に「訴えの取下げ」をした。  この裁判は、大御所芸能人「松本人志」に文春側や世間が振り回された、不毛な争いだったのかもしれない。“松本人志裁判はなんだったのか”、意味を見出すのには時間がかかりそうだ。 文/学生傍聴人
2002年生まれ、都内某私立大に在籍中の現役学生。趣味は御神輿を担ぐこと。高校生の頃から裁判傍聴にハマり、傍聴歴6年、傍聴総数900件以上。有名事件から万引き事件、民事裁判など幅広く傍聴する雑食系マニア。その他、裁判記録の閲覧や行政文書の開示請求も行っている。
X(旧ツイッター):@Gakuse_Bocho
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