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「“営業力”は少年院で学んだ」逮捕歴14回の元ヤンキーが経営者として成功、“超富裕層”になるまで

去年までは「ブランドものに月300万」

気になる彼の暮らしぶりだが、大好きな蕎麦を食べたり、知人のスイーツショップを訪れたり、彼の暮らしぶりは意外と「普通」だ。服はいつもノーブランドで、経営者と言われなければ「どこにでもいる気さくなお兄ちゃん」といった感じだ。 「昔はブランドものが好きでした。名古屋で一番バーバリーを買ったお客さんだったんじゃないかな。毎月300万円以上買うと、コンラッド大阪で行われる新作の受注会に呼んでもらえて。その受注会でも、最低でも300万円以上は買わされるんですけどね。でも、去年からブランド物は全く買わなくなりました」 それはなぜか。 「土地が欲しいと思った時に、すぐにキャッシュで買えないからです。いい物件って、早い者勝ちなんですよ。売りに出たときに『今すぐキャッシュで1000万円用意できます!』って人が電話して、すぐに買っていくんです。土地の早い者勝ちレースに負けて、悔しい思いを何度もしました。 あと、ビジネスの規模が大きくなってきて、新しいことをするのにお金が必要になってきたんです。たしかに僕には相続した土地や会社の株があるから、資産額では数億円を保有しています。でも現預金は、商売をやる上でまだまだ足りていません。 それで、『あのブランドものを買ってなかったら、今ごろあのビルを買えたのかもな』と気づいてしまったんです。そもそも月300万円も服を買っても、全然着ないですしね」 最近した一番大きな買い物は「1億円のビル」だと笑っていた。 ——名門中学の退学、大学の中退、10回を超える逮捕歴……決して平坦な道のりとは言えない、岡さんの人生。それはどんな逆境があっても、「超富裕層」として成功することができるという、勇気をもらえる。 筆者は彼と小学校の頃からの仲だが、彼から愚痴や恨み言を一度も聞いたことがない。相談するとアドバイスは全て前向きで、笑いに変えてくれる。先日、彼に「詐欺にあって〇万円を取られた」と泣き言を言ったら「僕もあるよ!1億円くらい騙された!」と、あっけらかんとしていて、悩みが吹き飛んだこともあった。 これからも彼は、誰かを助けるような存在であり続けるのだろう。かつて少年院で彼を助けてくれた、“いい大人”のように。 <取材・文/綾部まと>
ライター、作家。主に金融や恋愛について執筆。メガバンク法人営業・経済メディアで働いた経験から、金融女子の観点で記事を寄稿。趣味はサウナ。X(旧Twitter):@yel_ranunculus、note:@happymother
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