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「“営業力”は少年院で学んだ」逮捕歴14回の元ヤンキーが経営者として成功、“超富裕層”になるまで

弁護士に出会い、法学部へ行くも、また「中退」

勉強少年院には嫌な奴だけでなく、“いい大人”もいたのだという。 「一人だけ、親身になってくれた弁護士がいたんです。いつも『君はこんなとこにいるべきじゃない』って説得してきて、今思えば変わった人でしたが、当時はまっすぐに向き合ってもらえて嬉しかったですね。僕は親や先生からいつも問題児扱いされて、半分くらい諦められていたので。 少年院にいる子だって、みんなが根っからの悪人なわけじゃない。そいつらの家庭環境を聞いてると『もう、それはグレるしかないだろ』っていうような子ばっかりだったんです。そんな子たちの話も、弁護士さんは丁寧に聞いていました。 僕も法律を使って、誰かを助けられる存在になりたい。そう思って、弁護士を目指すようになったんです」 大検を取り、中央大学法学部の通信教育課程に入学。司法試験の模試では、全国トップの成績を取ったのだが……。 「司法試験って、逮捕されてから10年経たないと受けることができないんです。その後も何度か逮捕されていたので、このままだと弁護士になれるのはだいぶ先だと思って、中退しました」 一見、無駄に思える法律の勉強だが、この経験も今の法務事務所をやる上で、役立っているそうだ。

少年院で鍛えたスキルで「営業トップ」に

ビジネスマン大学を中退してからは、何をしていたのだろうか。 「光通信の営業社員として働いて、すぐにトップになりました。楽勝でしたね。僕は少年院で、どんな奴にも気に入られるスキルを身に着けていたから、それが営業をする上で役に立ったんです。そしてサラリーマンをやめて、自分で会社をやることにしました」 どうやって会社を立ち上げたのだろうか。実家からの援助も大きかったのだろうか。 「親からお金を借りたことはありません。家族という意味では一度だけ、資本金500万を祖母からもらったきりです。 でも、その直後に1500万円の車を買ったので、会社としてはマイナス1000万からのスタートですね(笑)。しかも飲酒運転で事故を起こしてしまって、保険もおりずに丸損でした」 しかし、岡さんはめげない。少年院で鍛えた営業力は「営業代行」の会社で、大学で学んだ法律の知識は「法務事務所」で活かされて、事業はどんどん伸びていったという。今では不動産投資やエステサロンも経営していると話す。
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去年までは「ブランドものに月300万」
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ライター、作家。主に金融や恋愛について執筆。メガバンク法人営業・経済メディアで働いた経験から、金融女子の観点で記事を寄稿。趣味はサウナ。X(旧Twitter):@yel_ranunculus、note:@happymother

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