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「ちょっと太った?」ズケズケと失礼な物言いをする保険屋を黙らせた“意外すぎる人物”の一言

母の助け舟がすごかった

 その助け舟がすごかった。母は「あらあら保険屋さんも、昔からすればずいぶんと太ったじゃないですか」「お顔も老けて、年齢よりも10歳ぐらい上に見られません?」などと止まらない。Nさんは、あきらかに不機嫌になっていった。 「すると母は、『あら嫌だ。太ったり年齢より上に見られたりする人は、食生活を見直したほうがいいとかそうでもないとかテレビで言ってた気がして心配で』と静かな声で言い、Nさんをじっと見つめたのです」  そして、「心配だからって何でも口にしていいわけではないですし、言い方もあるでしょう?」「ましてや本人が聞いて嫌なことを家族がいる前で言われるというのは、いい気がしませんよね」と続けたのだ。 「さらに、『ご自分が言われてみて、どうですか?』『私は長年、あなたにいろいろと言われてすごく嫌な気持ちでしたが』と、ニコリ。そして、『今回は保険の契約、もう少し考えさせてもらったほうがいいんじゃない?』と私に提案してくれたのです」

別の保険屋さんで契約

契約書 Nさんは「俺は家族のように思って忠告していただけで…」としどろもどろに言い返してきましたが、謝罪の言葉はナシ。その様子を見て母は「とにかく今日はお帰りください。また、連絡いたしますね」と退席を促し、ほかの保険屋を探すことを勧めたという。 「父が古くから付き合いのあった保険屋だったこともあり、Nさんの言葉を我慢してきたにもかかわらず、いつもは穏やかな母が私の気持ちに気づいて助け舟を出してくれたことに救われました。そしていまは、別の保険屋さんで契約をしています」  親しくなると「相手のためを思って」などとズケズケ言う人もいるが、何度も同じ言葉を繰り返したり言葉を発するときの状況を間違えたりすると、相手に不快感だけを与えてしまう可能性もあるだろう。相手の気持ちも考え、言い方などにも工夫したいものだ。 <TEXT/山内良子>
フリーライター。ライフ系や節約、歴史や日本文化を中心に、取材や経営者向けの記事も執筆。おいしいものや楽しいこと、旅行が大好き! 金融会社での勤務経験や接客改善業務での経験を活かした記事も得意
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