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“ミス慶應2024準グランプリ”の28歳女性が、「もったいない」と周囲に言われても、まずは「高卒で働くことにした」理由

社長秘書などを経て、大学進学を決意

――高卒後は、どんなお仕事をされていたのでしょうか。 土川:いろいろな仕事を経験しました。社長秘書をやり、次に営業職を経験し、カスタマーセンターで勤務したこともあります。働くことはとても楽しかったですね。 ――社長秘書って重責ですね。 土川:社長が各地で講演会に呼ばれる方だったので、原稿の校正作業をしたり、YouTubeの動画編集をしたり、アルバイトの子たちの勤怠や業務の管理なども任されていました。とてもいい経験だったなと思います。 ――かつて行かない選択をした大学に進学しようと思ったのはなぜですか。 土川:社会人をやっていくなかで、楽しいなかにも閉塞感を感じるようになっていました。将来にわたってずっとやりたいものに出会いたいとも思いました。いろいろな仕事をしていくなかで、「誰かの問題を解決して力になりたい」っていう気持ちがどんどん強くなっていったんです。  大学に行こうと思ったのには大きく2つ理由があって、ひとつは、社会人になっても気分転換に数学の問題を解いてるくらい、やっぱり数学が好きで、それを活かせたらいいなと思ったこと。もうひとつは、情報学を学ぶことで、もっと多くの人の役に立てたり、いろんな課題解決に関わることができるんじゃないかと感じたことです。そんな思いを叶えるための第一歩として、大学進学を選びました。

東京の街並みを見ると高揚する

――地元を離れて進学するのに不安はありませんでしたか。 土川:高校卒業後、東京で働いていたんですよね。 ――地元にも仕事はあると思いますが、高卒後に東京で働いていたのはなぜでしょう。 土川:東京の街並みを見ると高揚するんですよね(笑)。それは昔からそうです。今ではすっかり慣れちゃって、その高揚感はあまり感じなくなりましたが(笑)。小学校くらいから家族で東京を訪れることが多くて、そのたびに東京の雰囲気にテンションが上がっていました。中学生になってからの休日は、単身で夜行バスに乗って東京に出て、また夜行バスで帰るみたいなことをやっていました。 ――中学生がひとりで東京に出てきて、何をやっていたのかすごく気になるのですが。 土川:特に大崎駅が大好きで、よく訪れていましたね。お気に入りのカフェで問題集を広げて解いたりとか。とにかく、「街並みに溶け込んでいる自分」になりたくて、通っていた感じでしょうか(笑)。 ――やりたいことを必ず達成する人だということだけはわかりました(笑)。 土川:それはあるかもしれません。特別なにか経験したわけではないのに、死ぬときに「あのときこうしておけば良かった」と思いたくないっていうのがすごくあって。だから進路に関しても、今は高卒で働く方が良いと思ったら実行するし、大学で学びたくなればそうしてきました。そうした選択が自分の納得のいく人生につながっていると思っています。
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ライター、エッセイスト。可視化されにくいマイノリティに寄り添い、活字化することをライフワークとする。『潮』『サンデー毎日』『週刊金曜日』などでも執筆中。Twitter:@kuroshimaaki

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