更新日:2023年02月03日 11:05
お金

元ガールズ競輪選手が「オッズ」を語る。ファンの財布事情に直結する‟自分の倍率”を見て思うこと

 ガールズケイリンの人気筆頭格として、1つの時代を牽引してきた高木真備さん。一昨年の末に開催された「オッズパーク杯 ガールズケイリングランプリ2021」で見事に優勝。年間賞金女王の称号を獲得し、「やり切った!」という気持ちで昨年5月に選手を引退。現在は保護犬・保護猫活動を行なっている。  そんな高木真備さんに元ガールズケイリン選手としての、さまざまな裏話を聞いていく当連載企画。5回目となる今回は、元選手目線で見る「オッズ」についての話を聞いた。自分のファンの人たちのお金と直結する世界にいる競輪選手は、その数字に対してどのような思いでいるのだろうか。

競輪選手は出走前に自分のオッズをチェックするのか

高木真備さん

元ガールズケイリン選手の高木真備さん 
提供:公益財団法人JKA

 最終的にグランプリを獲得するほどの実力者であったため、通常開催では1番人気になることが多かった高木さん。出走前に自分のオッズをチェックすることはあったのだろうか。 「競輪場によって違いますが、直前控え室にオッズと締切時刻が表示されているテレビがあって、そこの時間を見ながらレース前の準備をします。だから時間を見ながら、オッズも同時にチェックしていた感じですね。そこで10倍を切っていると色が変わるんですけど、何倍かまでは気にしませんが、1番人気かどうかは見ていました。  私、デビューして1年目くらいは予選で1番人気なんて全然なかったんですけど、一般戦となると1番人気になっていて、その状況に『一般戦は絶対に勝たないといけないんだ』と、プレッシャーに感じていました。『これで負けたらお客さんの気持ちを裏切ってしまうじゃん……』とか考えていましたね。特に調子が悪い時に1番人気だと不安でした」

1番人気にならないと「悔しい」と思うように

 デビュー当時はオッズを見てプレッシャーに感じていたという高木さんは、デビュー3ヶ月後に初優勝を記録したことで、人気になることが多くなった。しかし「徐々にプレッシャーに感じることは少なくなっていきました」と語った。それは、デビュー当時から掲げていた「グランプリ優勝」という目標があったからこそ、オッズに対する考え方が変わっていったようだ。 「私は最初からグランプリ優勝を目標にしていたので、『普段のレースから1番人気になっていることが当たり前にならないといけない』と思ったことを覚えています。勝てるようになり、最後の方は1番人気になることに慣れていました。ただそうなると、逆に1番人気になっていないと悔しくて『1着になって見返そう!』と思うこともありましたね」
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1番人気で着外となった時の心境とは
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Web編集者兼ライター。フリーライター・動画編集者を経て、現在は日刊SPA!編集・インタビュー記事の執筆を中心に活動中。全国各地の取材に出向くフットワークの軽さがセールスポイント
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