更新日:2025年01月23日 16:30
仕事

27歳「おにぎり美人」がYouTube“470万回再生”の大バズり。“100キロ超えリヤカー”を引く美女が注目されるワケ

 広島の街を彩る“リヤカーおにぎり屋”が話題になっている。昨年11月、YouTubeチャンネル『うどんそば 広島 岡山 Udonsoba』で公開された「27歳おにぎり美人が100キロ超え屋台を引くワンオペおむすび物語」という動画が話題を呼び、わずか2ヶ月あまりで474万回再生を記録した(1月23日現在)。  こちらの動画に出演したのは、話題のおにぎり屋『that’s rice』を営む東果穂さん(27)。この動画をきっかけに、地元のニュース番組や新聞社など多くのメディアに取り上げられることになり、一気に地元で話題の人となった。  そんな彼女に、その独自のビジネスモデルや“おにぎりリヤカー”にかける情熱などの話を伺うべく、現地で取材を行った。

福岡の「わらび餅屋」が人生を変えるきっかけに

東果穂さん

“おにぎりリヤカー”でおにぎりを販売している東果穂さん(27) 
写真/セールス森田

 おにぎり屋を始める以前は営業職で働いていたという東さん。仕事について悩んでいたとき、母親からのアドバイスが1人でビジネスを始めるきっかけになったと話す。 「前職は営業として働いていたのですが、いろいろと上手くいかないことがあり、この仕事を続けるかどうか悩んでいました。母親からは、その会社で働く前から『自分1人で仕事をする方が向いてると思うよ』と言われていまして、ツラいときにその言葉を思い出し、1人で仕事をする道を探してみることにしたんです」  両親からのアドバイスもあり、1人で立ち上げるビジネスを模索することに。そのときたまたまインスタグラムで見た、福岡でわらび餅のリヤカー販売をしている投稿が、彼女の人生を変えることになる。 「いろいろ探しているときに、福岡でわらび餅のリヤカー販売をしている人がいることを知りました。これなら1人でできるかも!と思い、リヤカー販売をやってみようと思ったんです。なので最初は私も、わらび餅のリヤカー販売ができないかを模索していました。でも広島は許可の関係的に難しいことがわかりまして……。移動販売が可能な他の食べ物でいろいろと考えた結果、手軽に食べられるおにぎり屋さんを始めることにしました」

100キロ以上のリヤカーは祖父の手作り

 おにぎりについて全くの素人だった東さんは、お米の炊き方、おにぎりの握り方、玉子焼きの調理など、一から勉強していった。なお、現在の東さんのトレードマークになっているリヤカーは、祖父による手作りのようだ。
おにぎり

リヤカーの重さは「100キロ以上にはなっていると思います」とのこと

「タイヤだけ発注して、それ以外はすべておじいちゃんの手作りです。おじいちゃんはこだわりが強い性格なので、リヤカーも細部にまでこだわり、しっかり作り込んでくれました。私としてはカートみたいのでよかったんですけど(笑)。もともとはわらび餅で考えていたこともあって、中の箱はびっしりと断熱材で囲んでいるので、夏場でも食中毒の心配はありません。そのこだわりもあって重くなってしまいましたが、立派なものに仕上がって、本当におじいちゃんに感謝ですね」
おにぎり

リヤカーの中にある、おにぎりを収納するBOXには断熱材が敷き詰められている

「1日3個しか売れなかった」立ち上げ当初の苦悩

おにぎり

オープンして間もない頃の東さん

 そして仕事を辞めて3ヶ月後、満を持してプレオープンに臨んだ。しかしオープン当初は思ったように売れず、絶望の日々だったという。 「2024年の3月23日にプレオープンしたのですが、初日にリヤカーが壊れてしまい、たったの3個しか売れず、引きずって帰ってきました。母親が心配して車で迎えに来てくれたのですが、その車内で『なんで3個しか売れないのにリヤカーやってるんだろう』と、虚しい想いが込み上げてきまして……。オープンしてからも10個前後しか売れない日々が続き、最初は迎えにきてくれる車の中で毎日泣いていましたね。『やっぱり広島でやるのは間違いだったのかな?』と思ったときもありましたが、母からは『とにかく続けることが大事』と言われていたので、『じゃあ明日だけ、明日だけは……』という想いでやっていました」
次のページ
涙を流す日々を変えた“ある行動”
1
2
3
Web編集者兼ライター。フリーライター・動画編集者を経て、現在は日刊SPA!編集・インタビュー記事の執筆を中心に活動中。全国各地の取材に出向くフットワークの軽さがセールスポイント
記事一覧へ
おすすめ記事