ライフ

5chに誹謗中傷を書かれた40歳男性、開示請求に成功するも…「誰も幸せになっていない」結果になったワケ

 プロバイダ責任制限法の施行から2年超。一向に減らないネットの誹謗中傷に開示請求件数も急増中だ。だが、相手を追い詰めようと開示請求すると……地獄の蓋を開けた人の泥沼劇を渾身リポート!

開示請求に成功するも推し活仲間の絆が崩壊

[SNS開示請求]まさかの真実

「仲間内でも自分が一番課金していた」とふり返る中野さん。羽振りの良さが嫉妬される原因に

 会社員の中野淳一さん(仮名・40歳)は、推し活がきっかけで日本最大手のネット掲示板5chに誹謗中傷を書かれた過去がある。 「推しのアイドルの生誕祭で、ファン同士カンパをし合ってお祝いの花やケーキを贈ることが決まり、それを僕がとり仕切ったのが発端。後日推しがライブ配信で『中野さん、生誕祭を仕切ってくれてありがとう』と、名指しで感謝を伝えてくれました」  結果、推しの5chのスレッドは中野さんへの罵詈雑言で溢れることとなった。ライブ中の服装などを執拗に攻撃され、嘘の噂もばらまかれたという。 「推しからも『消費者金融で借金してるそうだけど、大丈夫?』とあらぬ心配をされて。さすがにマズいと思い、親に泣きつき父の会社の顧問弁護士を紹介してもらったんです」

仲間の“7人全員”が誹謗中傷を書き込んでいた

 数十件の投稿を対象とした開示請求は何百万円と費用がかかるが、ツテもあって18万円と破格の費用で開示に成功。だが、その結末は中野さんにとってほろ苦いものとなった。 「同じアイドルを推している仲間が7人いたのですが、その全員から誹謗中傷を受けていたんです。毎回飲みに行っていた仲のいいオタ友で、誹謗中傷にも『僕らがいるから大丈夫!』なんて言ってくれてたのに、おまえらが書いたのかよ!っていう……」  中野さんは7人に内容証明郵便を送った。 「3人からは『なんとか許してください』とDMが来ましたが、『示談しなければ裁判ですよ』と通知。最終的に計80万円の示談金を手にしました。でもドルオタなのが父にバレてしまい気まずいですね」  さらにその直後、当の推しが契約違反でグループを脱退。「誰も幸せになっていない」と中野さんは肩を落とす。 取材・文/週刊SPA!編集部
おすすめ記事