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家賃4万円のシェアハウスに、“住み込み管理人”として入居してみたら…「引っ越し当日に期待が崩れ去った」ワケ

東京の上野でスナックを営む大谷麻稀です。会社員を辞め、未経験の水商売で独立してから早2年。日本の一大飲み屋街で昼も夜も様々な人間模様を見てきた私が、今夜のお酒がちょっぴり美味しくなるコラムをお届けします。 国際交流シェアハウス。皆さんはどんなイメージを持つでしょうか? 清掃が行き届いたリビング、英語でコミュニケーションを交わす姿や、週末に外国籍の方が母国の料理を振る舞う光景を想像するかもしれません。 もちろん、そのような明るい雰囲気のシェアハウスも存在するでしょう。しかし、現実には想定外の問題に巻き込まれることもあります。
大谷麻稀

大谷麻稀

魅力的な条件にそそられて、シェアハウスの管理人に

私はかつて、国際交流を謳うシェアハウスの管理人をしていました。TOEICで高スコアを取得した直後、「英語力が活かせる」と記載された求人広告を見つけ応募。その2時間後にはオンライン面接を受け、即採用されました。 採用条件は、約20部屋ある家の管理業務を行うことで(月8時間想定)、家賃4万円から1.5万円割引されるというもの。つまり、住み込みのバイトですが、月額2.5万円で職場から10分圏内の場所に住めるのは魅力的。内見もせずに新生活を楽しみにしていました。 しかし、引っ越し当日に私の期待は崩れ去ります。

絵に描いたようなゴミ屋敷っぷりに戦慄

玄関はほこりまみれで、なおかつ解体されていない段ボールが山積みに……。その奥にある私に割り当てられた部屋は、ベッドフレームが壊れた状態。さらにベッドの下には、数日前まで住んでいた前任マネージャーのものだと思われる私物のゴミがどっさり放置されていました。なかには職務履歴書など、個人情報が書いてある書類もぐちゃぐちゃになって捨てられている状態。くわえて、ベッドに隣接するベランダには雑草が生い茂り、なぜかぶら下がり健康器も放置されています。 そうです。この家は、歴代のハウスマネージャーたちの怠慢と、なるべく家賃を抑えて暮らしたい人たちによって構築されたゴミ屋敷だったのです。 仮にもマネージャーの部屋ですらこのありさまですから、共有スペースなんてもっと悲惨。キッチンにはコバエが舞っていますし、シャワールームに関しては単にカビまみれなだけにとどまりません。中途半端に中身の残ったシャンプーやボディソープが何十個もそのままになっています。挙句の果てにフローリングは、歴代の住人たちの皮脂と油汚れによってベトベト。「国際交流シェアハウス」という楽しげな響きからは想像できない地獄絵図でした。 とはいったものの、私は前の家も解約してしまい、帰るところもありません。ゆえに即日で退職するわけにもいかず、徹底的に掃除することを決意したのです。
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南アジア出身の20代女性が家賃を滞納したすえに…
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上野にてスナックを経営する28歳。大好きなお酒にコミットするべく鉄道会社を退職し、ほぼ未経験の世界へ転身。TOEIC910取得。趣味は海外一人旅。
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