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「愛犬を盗まれた!」ペット連れ去りの恐怖。高額品種は“違法ブリーダー”に転売されることも

ケージを洗う10分の隙に愛犬が消えた

多発する[ペット連れ去り]の恐怖

「ティンは知らない道を歩けないほど怖がりだったから、自ら逃げたとは思えない」

 静岡県御殿場市に住むダンサーの前田樹さん(30代)は、1月上旬にイタリアングレーハウンドの愛犬・ティンを連れ去られたという。 「深夜2時すぎに1階にある自宅アパートに帰り、ケージが汚れていたので風呂場で洗おうと一時的にティンをベランダの柱につないでいたんです。10分後にベランダを見たらリードごと姿を消していて……。ダンサー仲間も呼んで辺りを捜し回ったけど、全然見つからなかった」
多発する[ペット連れ去り]の恐怖

ティンをリードでつないでいた柱

 リードは柱に二重に結び、持ち手部分も固結びにしていたため、自然にほどけるとは考えにくい。加えて、「ここはど田舎だし、アパートも奥まった場所にあるので偶然ではたどりつけない」と話す。 「もしかしたら、深夜の寒い中ティンが放置されていると勘違いした人が好意で保護したのかもと思い、近所を聞き回ったんですが、全員『知らない』と……」  前田さんは警察に相談したものの、「盗まれたという証拠がないと盗難届は出せない」とけんもほろろ。市役所や保健所にも届けを出したが、自発的に捜してくれることはなかったそうだ。
多発する[ペット連れ去り]の恐怖

前田さんのSNS

「警察はまったくあてにできないと痛感したので、迷子犬の投稿サイトやインスタ、Xにも情報を流したけど手がかりはゼロ。一時は相当病んだけど、今は犯人に対して、家族がいなくなる痛みを味わわせてやりたいと思っています」

高額品種は特に危険「違法ブリーダーに売られることも」

 ペット捜索も行うファミリー調査事務所の代表・山内和也氏は、「転売目的でペットを盗むケースもある」と語る。 「過去には静岡県の個人経営ペットショップから売値が100万円以上するプードルが盗まれ、神奈川県の個人宅で飼われていたのを発見したケースがありました。その飼い主によると『ネットで購入した』と。窃盗犯が転売したことで市場に流れたのでしょう」  さらに別のルートに転売される危険性もあるという。 「高額品種は繁殖用として、違法ブリーダーや無許可の繁殖場に売られることも。これらはネットや市場に情報が出づらく、発見は困難。ただ、発見できた事例もあるので諦めないでほしいですね」  愛する家族を突然奪われる苦痛は計り知れない。さらに愛犬がそんな過酷な環境に放り込まれたなら……まさに悪夢としか言いようがない。
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盗まれたら発見は困難!! ペット盗難の犯人像とは
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