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「愛犬を盗まれた!」ペット連れ去りの恐怖。高額品種は“違法ブリーダー”に転売されることも

盗まれたら発見は困難!! ペット盗難の犯人像とは

多発する[ペット連れ去り]の恐怖

ペット探偵・藤原博史氏

 実際にペットの連れ去りはどの程度発生しているのだろうか。  これまで6000件以上のペットの捜索を行ってきた藤原博史氏は、「盗難だと断言できる事例は10件程度ですが、疑わしいものを含めるともう少し数は多いかもしれない」と話す。 「疑わしい例で多いのは、迷子ペットを偶然保護した人が愛着が湧き、そのまま飼育し続けるケース。ペットは遺失物なので、本来は警察に届け出ないといけませんが、保護した人は基本的に悪意がなく、なかには届け出ない例もある。このように、善意の保護が結果的に盗難になるケースを含めると、被害件数はさらに増えるでしょう」

脱走の可能性を否定しきれず、事件化のハードルが高い

 また、飼い主から見ると窃盗を疑う状況でも、「監視カメラの映像や目撃情報などの客観的な証拠がなければ、盗まれたという立証が難しい」という。  しかもペットは自発的に動くので、脱走ではなく窃盗だと断定しづらい。そこから警察を動かすのは相当ハードルが高いのは、前出の事例からも明らかだ。  では、ペットがいなくなった際に飼い主ができることは? 「警察や動物愛護センターに問い合わせたり、SNS、ポスター、チラシなどで情報発信することは有効な手段です。ただ、その際に決定的な証拠がないのに『盗まれた』と書くのは逆効果。なぜなら、たとえ善意で保護していたとしても、『ばれたらヤバい』と別の場所に移動させたり、情報提供をしなかったり、逃がす可能性があるから。あくまで迷子で捜すほうが帰ってくる確率は高まります」  さらに手がかりや証拠を揃えるための対策が重要だと語る。 「犬ならリードを外しにくいロック式にしたり、室内飼いで一時的に外につなぐ場合も必ず家族の目が届く範囲にする。防犯カメラを設置したり、首輪や服にGPSをつけるのもオススメです。個体の識別ができるマイクロチップは、’22年以降に販売されている犬や猫には装着が義務づけられていますが、保護犬・保護猫や譲り受けたペットは未装着の場合もあるため注意を」  盗難対策は万全にしたい。 【ペット探偵・藤原博史氏】 ペットレスキュー代表。全国から依頼を受け現在まで6000件の迷子ペットを捜索。著書に『ペット探偵は見た!』(扶桑社刊)など 取材・文/週刊SPA!編集部
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