更新日:2025年02月25日 17:15
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東京の“18禁新名所”に広がる「衝撃的な光景」。頽廃・淫靡で妖しく魅力的な濃厚異空間は一見の価値アリ

3階の展示には衝撃的な光景が広がっている

 昭和エログロ絵画や海外のバッドアート(人によっては悪趣味と感じる)の作品が隙間なく並ぶ階段で、一気に3階へ移動しよう。  滅亡の危機にある近未来の地球で、捕獲した優秀な男性から精子を強制採取し女性に注入するという鳥羽SF未来館で行われていたストーリー仕立ての展示が、ほぼまるごと再現されていて衝撃を受ける。壮絶な人間を狩るシーン、人工受精させられる裸同然の女性、口にチューブを加え赤ん坊から美少女、美女へと成長する装置の再現など何時間でも見ていられる。小部屋にあるSM蝋人形とガーナの想像だけで描かれたSF映画ポスターも見逃せない。
大道芸術館

先客かと思いきや…

 眼福の秘宝館ワールドを腹いっぱい堪能したら、2階のカフェバー「酒とわかめ」で一息つける。無数のピンク映画チラシが埋め込まれたカウンターに座れば、正面ひな壇にはオリエント工業製の下着姿のラブドールが思い思いのポーズで微笑んでいる。  すでにカウンターに先客が……と思ったら、その女性もドールだ。壁には見世物小屋の看板、底面に性器が彫られたHな春画人形(荒木一成コレクション)を並べたガラスケースもあって退屈とは無縁。バータイムには格別のお酒が飲める。東京の下町に突然開花した頽廃・淫靡で妖しく魅力的な濃厚異空間。東京の“18禁新名所”へぜひ足を運んでいただきたい。   <TEXT/関口勇>
『ワンダーJAPON』編集長(フリーランス・発行元はスタンダーズ)。廃墟、B級スポット、巨大構造物、赤線跡などフツーじゃない場所ばかり紹介。武蔵野美術大学非常勤講師。X(旧Twitter):@isamu_WJ
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