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松田るかが演技で大切にすること「相手の名前を覚える」その理由とは

松田るかが克服できない「人の感情を察すること」

松田るか 映画『かなさんどー』――客観的に見て、今の自分に足りないものや身につけたいスキルはありますか。 「客観視」は今の私にとって課題の一つですね。究極的には不可能だと思いますが……難しいですね……。 ――思いや考えをわかりやすく言葉にするのってなかなか大変ですよね。 感じるだけでなく考えないといけないですよね。言語化するのが難しいということは、自分のどこにゴミが詰まってできていないのだろうか。それを解読していくことが、きっと演じる役に対するもっと深い読解にもつながっていくと思いますし。 ――思考がものすごくロジカルですね。 この10年ちょっと仕事をしてきて、私は感覚型の役者ではないなと思って。やっぱりこの世界、天才っているんですよね。私はそうじゃないから頭を使っていこう、と。 ――1人の人間として克服したいことは? 苦手であることは自覚してますが、克服できないと思っているのは「人の感情を察すること」ですね。もちろん察して動けるようにはなりたいと思いますけど、人って裏腹なことをするじゃないですか。構って欲しいのにひどい態度を取ったり。

30代を迎える心境「思っているより立派な人間かも(笑)」

――今年30代を迎えるにあたり、思うところを聞かせてください。 私の体感としては「やっと30になれる」という感じですね。でも、社会的・仕事的に30代って仕事や環境が大きく変わったりするイメージがあって。結婚したり出産したりする方もいらっしゃいますし、あと女性の場合、厄年が来るので(33歳)。 ――そう考えると、わりと大きな節目ですよね。 むしろもう30歳だと思って生きてます(笑)。20代ってやっぱりまだ大人のようで大人じゃないというか。考えも浅はかだし、勢いで行っちゃうところもあるし。自分を大事にしない生き方ができちゃうんですよ、若いから。 だけど、これからはちゃんと自分を大事にしつつ、周りも大事にしつつ、「自分」だけではなく、「自分」と「周り」で何ができるのか、どうできるのかを考えていきたい。目的や目標のなかに私以外の人たちも介在させて生きたいです。 ――月並みですが、食べ物の好き嫌いを直したいとか? 全然ないです(笑)。島で生まれ育ったものですから、けっこう何でも受け入れる性格というか。虫とかも苦手じゃないですし。 ――人見知りは? しないですね。 ――車の運転が不得意とか、部屋が片づけられないとか……。 全然そんなことないですね……あれ? もしかしたら私、自分が思っているより立派な人間かもしれない(笑)。
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知識欲を絶やさずに——俳優として成長し続ける理由
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株式会社ラーニャ代表取締役。ドラマや映画の執筆を行うライター。Xアカウント:@Yuichitter

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