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「家族全員で信号無視」外国人観光客が殺到する北海道で“ルール違反”が多発。線路内に入り“人身事故”も発生

 冬場に訪れる外国人観光客の多くが楽しみにしているのは、雪国での観光やウィンタースポーツ。特に北海道は外国人で溢れ返るため、オーバーツーリズムの問題が各地で噴出している。
新千歳空港

新千歳空港。画面下の席に座っているのは、ほぼ外国人旅行者だった

海外かと錯覚するほどに多言語が飛び交う北海道

 北海道の空の玄関口、新千歳空港も外国人観光客で連日大混雑。2月某日夜、道外での取材を終えて戻った際にターミナル内を回ってみると、国際線の発着は終わっている時間にもかかわらず、飲食店街や土産物店のエリアはアジア系の外国人観光客で賑わっていた。  新千歳空港駅から札幌に向かう列車の車内も同様で、大きなスーツケースを持つ外国人だらけ。中国語や韓国語が飛び交い、海外かと錯覚してしまうほどだ。  数日後、別件の取材で旭川に向かったが、札幌から旭川へ向かう特急カムイ号も指定席・自由席ともに満席。1月に旭川を訪れた際も満席だったため、やはり冬場は外国人観光客が多いのだとここでも実感。しかも、通路を半分塞ぐ形でスーツケースを置いている者が1人や2人ではなかった。  専用の荷物置き場が埋まっていたとはいえ、座席上の荷物棚に収まるサイズのスーツケースはそちらに置いてほしいものだ。途中駅で下車するためにドア付近に向かう日本人らしき乗客の中には、迷惑そうな表情を浮かべる者もいた。

旭山動物園行きの路線バスは、首都圏の朝のラッシュ並みの混雑

旭山動物園行きバス乗り場

旭川駅前の旭山動物園行きバス乗り場は長蛇の列

 到着した旭川でも駅前バスターミナルのうち、旭山動物園行きのバス乗り場は外国人観光客の長蛇の列。  発車直前のバスの外は、まるで朝の山手線や埼京線のような状態だ。この様子だと日中でも途中の停留所から乗っても座れる可能性は低いだろう。  買い物や病院への通院などでこの路線バスを利用する沿線在住の70代の女性は、「動物園行きのバスは昼過ぎまで混むことが多いですね。列の後ろだと並んでも座れないため、その場合は1本やり過ごすようにしています」と話す。  まだ地方の路線バスでは比較的本数は多いが、住民にとって利便性に問題が生じたのは否めない。かといってドライバー不足でバスの増発も簡単にできず、事態は思っていた以上に深刻だ。
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小樽―倶知安間の函館本線も外国人観光客だらけ。鉄道廃止後はどうなる?
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フリーライター。鉄道や飛行機をはじめ、旅モノ全般に広く精通。3度の世界一周経験を持ち、これまで訪問した国は50か国以上。現在は東京と北海道で二拠点生活を送る。

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