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佐々木朗希「ロッテ時代をしのぐ“過保護ぶり”」のワケ。ドジャース先発陣“崩壊寸前”で佐々木が背負う「期待と重圧」

ドジャースの方が過保護な現状

 佐々木はドジャースにとって大切な“金の卵”。とはいえ、その過保護ぶりは昨季まで佐々木が所属した「ロッテ時代をも凌ぐ」ともいえそうだ。  佐々木が18試合に先発した昨季は、半数以上の試合で100球を超えており、5月にはプロ入り後、自己最多となる123球を投じた試合もあった。  一部のファンから“温室育ち”と言われ続けてきた佐々木だが、今のところロッテ以上にドジャースの方がより室内温度は高い印象。メジャーの水に慣れるまでは一定の温度を保つだろう。  ただ、救援陣の負担を考えると、遅くても5月下旬ごろまでには、先発投手の目安とされる100球前後の投球数が求められる可能性もある。特に佐々木は中6日と十分な登板間隔を与えられているだけになおさらだ。

過保護は球数だけではない?

 また、ロバーツ監督の過保護ぶりは球数に限ったことではない。制球が比較的安定していた前回のフィリーズ戦も5回に2人の走者を出すと、すぐさま交代の決断を下した。もちろん球数も理由の一つと思われるが、早めの継投で佐々木の精神的ダメージを軽減する意図もあったのではないか。  佐々木の次回登板は現地12日(日本時間13日)のカブス戦に決定済み。ロバーツ監督の“親心”に応えるパフォーマンスを発揮できるのか。それとも制球難がぶり返し、さらなる救援陣の負担増を強いることになってしまうのか。  次こそ、ロッテ時代に何度も見せた快刀乱麻の佐々木らしい投球を期待したい。 文/八木遊(やぎ・ゆう)
1976年、和歌山県で生まれる。地元の高校を卒業後、野茂英雄と同じ1995年に渡米。ヤンキース全盛期をアメリカで過ごした。米国で大学を卒業後、某スポーツデータ会社に就職。プロ野球、MLB、NFLの業務などに携わる。現在は、MLBを中心とした野球記事、および競馬情報サイトにて競馬記事を執筆中。
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